63歳の夫は40年来のヘビースモーカーでしたが、たばこを昨年春やめました。その後、半年過ぎたころから、顔を背けたくなるような口臭がします。特に朝起きた時はひどく、一日中気になります。自分では分からないと言いますが、娘も感じているようです。たばこをやめるまでは気がつきませんでしたが、長年の喫煙の後遺症でしょうか。(福井市、女性)

【お答えします】 山田和人福井赤十字病院歯科部長

口臭の多くは口の中に原因 !

 奥さんだけでなく娘さんも感じるのであれば、ご主人には明らかな口臭がある、と考えます。

 口臭の原因の大部分は、口の中にあります。それ以外に鼻、副鼻腔(びくう)が原因のものが10%程度あり、さらに肺や食道、胃が原因の場合もわずかに存在します。しかし、毎年受けている健康診断で異常がないのであれば、内臓が原因の口臭は完全に否定できると考えます。まず口の中が原因の口臭と考えるべきだと思います。

 次に原因ですが、顔を背けたくなるようなひどい口臭であれば、歯周病や蓄膿(ちくのう)などの慢性的に膿(うみ)が出ている状態が最も考えられます。

 基本的に禁煙によって口臭がひどくなることはありません。むしろ喫煙によるタールなどのにおいが口臭をさらに悪化させる場合が多いようです。喫煙と歯周病の関係は密接で、統計的に喫煙者は重度の歯周炎になっている可能性が高く、たばこに含まれるニコチンで末梢(まっしょう)血管が収縮し、歯周組織の回復を遅らせ、歯周病を悪化させることが分かっています。

重度の歯周炎か 歯科受診を !

 これらのことから、ご主人は長年の喫煙で重度の歯周炎の状態にあり、これまではたばこのにおいで膿のにおいが分からなくなっていたが、禁煙によって膿のにおいが目立ってきたのではないかと思います。

 昼間は十分な量の唾液が出て、口内の膿やばい菌が洗い流される一方で、夜間は唾液の分泌が少ないために朝の口臭がひどくなっているのかもしれません。

 治療法としては、まず近くの歯科医院で口の中を診てもらい、必要に応じた歯周治療を行えば治っていくと考えます。検査の結果、歯周病が原因でなければ、その時点で口腔(こうくう)外科または耳鼻科を紹介されると考えます。

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