一般家庭の太陽光パネル設置作業。固定価格買い取りの終了で、難しい判断を迫られる=2009年、福井県敦賀市内

 太陽光発電の「2019年問題」が福井県内関係者の間で関心を集めている。国の余剰電力買い取り制度による固定価格買い取りの期限が切れるもので、同年は県内3200軒超が対象となる見込み。期限終了後の買い取り価格は低下することが確実視される中、夜間用などに余剰電力をためておく家庭用蓄電池の普及を目指す動きもある。安くても売り続けるか、新たな投資で電気の自給自足を目指すか。設置家庭は難しい判断を迫られそうだ。

 余剰電力買い取りは太陽光発電で生じた電力のうち自家消費分を差し引いた余剰分を、電力会社が固定価格で買い取るよう義務付ける制度。09年11月に導入され、それ以前に設置した家庭も対象になった。当初、10年間固定の価格は1キロワット時当たり最大48円で、それ以前の2倍超。太陽光パネルの設置に県などから補助金が出たため、県内でも爆発的に普及した。

 NPO法人エコプランふくいのまとめでは、県内で1995年から09年までに太陽光発電を設置した、「期限切れ1期生」に当たる家庭は3270軒あるとみられる。吉川守秋事務局長は「固定価格買い取りの期限後、20円程度の価格に戻るという前提で、設置資金を回収できるのは12~13年との試算が当時は一般的だった」と振り返る。

 ただ、この10年間で情勢は大きく変わり、現在では期限切れ後の買い取り価格は10円程度になるとの見方が支配的という。吉川事務局長は「国が音頭を取って価格を決めれば話は早いが、電力小売り自由化の中で手をつけるのは不可能だろう」と語る。

 期限が刻一刻と迫る中、有望視されるのは家庭用蓄電池の普及だが、福井市のある業者は「計画停電が実施された首都圏と違い、北陸は蓄電池に関心が薄い。200万円程度の費用もネックで、電気自動車を買う方がお得と感じる人も多いだろう」と明かす。

 一方、省エネ機器販売のK―PLAN(越前市)の担当者は「特に北陸電力は水力発電が豊富で発電コストが低いので、太陽光の買い取り価格も安くなると想定される。蓄電池が普及する流れは来る」とみる。坂井市の会社員、應崎元市さん(58)は、同社の勧めで昨年末に蓄電池を設置した。「子や孫がよく遊びに来てくれるので、電気はよく使う。少しでも電気代の足しになればという気持ちで、設置を決めた」という。「電池がどれくらいもつのか不明なところもあるが、停電時の備えにもなるので、損得勘定で計れない価値もある」と話している。

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