中学2年生男子の孫は、2年ほど前から、おなかが痛いとよく言います。最初は食事の前後30分から1時間で治っていましたが、食事に関係なく1日に何回となく痛みを訴えるようになりました。半年ほど前からはさらにひどくなり、授業中も我慢できないほどの痛みが長く続くようです。病院で尿や血液、エコーの検査をしましたが、何ともないと言われました。でも、痛みは治らず、本人もとても気にしています。(敦賀市、女性)

【お答えします】 大音泰介 福井赤十字病院小児科医師

! 慢性腹痛か 時間かけ対応を

 お孫さんのご心配、お察しいたします。

 原因不明ということで不安になられているのではないでしょうか? 腹痛といっても原因は多岐にわたります。胃潰瘍、盲腸(虫垂炎)、腫瘍、便秘などが有名で、それら以外にも腎臓、胆嚢(のう)、肝臓、膵臓(すいぞう)など、多くの臓器が原因となり得ます。数え切れないほどの疾患が存在し、腹痛は医師にとって診断の難しい症状の一つです。

 重要な点の一つとして、経過の長さがあります。急に発症してどんどん症状が強くなる場合は、命に関わる病気が隠れている場合があり、速やかな対応を必要とします。その一方、良くなったり悪くなったりを繰り返し、数カ月から数年の経過をとるものを慢性腹痛といい、時間をかけ対応する疾患が多くを占めます。

 お孫さんは慢性腹痛のパターンに当てはまるかと思います。その場合は、まずは見落としてはならない病気について、一般的な採血や便検査、超音波検査などで検査をして、異常がなければ、しばらく経過をみることも大事になります。

! 思春期に多い過敏性腸症候群

 また、中学生の年頃では、ご心配されているであろう心因性の疾患も挙げられます。

 おなかの動きは、自律神経という心の働きと密接な関係を持つ神経が作用し、思春期の子どもの10%程度が自律神経性の腹痛に困っているとの報告もあります。

 正式な病名は、過敏性腸症候群といい、科学的に痛みを生じるメカニズムも報告されています。心因性といっても体質や環境の要素が大きく、昔は思春期の女の子に多くみられたのですが、最近は小学生、大学生、男の子などにも増えており、困っていることがないようにみえる子どもにも多くみられます。

 もちろん、CT検査や胃カメラなど、さらなる検査もありますが、病気が発見される可能性は期待するほど高くはなく、痛みや放射線被ばくを伴うこともあります。

 慢性的な腹痛の場合、すぐに治すことは難しいかもしれませんが、あせらずに原因を探っていくことが大切だと思います。信頼のおける医師をみつけ、検査や治療について、気長に対応していくことをお勧めします。

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