昨年10月、右耳が突然「ポーン」と鳴って、めまいもしたので耳鼻科を受診しました。突発性難聴と言われ、10日間点滴し、その後はめまいの薬を毎日服用しています。でも、今も右耳は聞こえません。このまま薬を続けて副作用はないか、難聴が少しは治るのか心配です。(福井市、74歳女性)

!自覚後48時間以内に治療開始を

 突発性難聴とは、ある日突然、前触れもなく耳が聞こえなくなる病気です。内耳に障害が生じる感音難聴ですが、原因や病態はいまだに不明です。治療は一般的にステロイドホルモンの内服、または点滴を行います。

 早期治療が重要です。一般的に発症してから、つまり聞こえなくなったと自覚してから48時間以内に治療を開始すれば聴力が改善することが多く、1週間を超えると治療をしても改善が困難な場合が多いようです。

 突発性難聴は治療により必ず治るというわけではなく、統計的には適切な治療を行っても難聴が完治するのは患者のおよそ3分の1といわれています。あとの3分の1は改善するか難聴、耳鳴りなどの後遺症が残り、約3分の1は改善しない、とされています。

 また、内耳の障害により、めまいを伴うこともあります。めまいを伴っている場合や高齢である場合は、治りにくいことが明らかになっています。

 めまいに対して薬を内服しているとのことですが、一般的に抗めまい薬として末梢(まっしょう)血管の血流を改善する薬、代謝を活発にする薬などが使用されます。現在内服しているのは、このような薬と考えますが、副作用は少なく、長期内服はほとんど問題ありません。ただし、突発性難聴に伴うめまいは通常自然に治りますので、内服はいずれ不要になることが多いと考えます。

!長期化なら聴力改善は難しい

 突発性難聴は、発症して1カ月以上経過すると聴力は固定し、それ以後の聴力改善は極めて困難だと考えれられています。発症から数カ月たっておりますので、聴力の改善は難しいと考えます。

 難聴が回復しなかった場合、音の方向感覚が失われたり、聞こえない側から話しかけられても分からなかったりするので、生活には注意が必要です。

 内耳の血液循環不全が病態の突発性難聴は、肉体的疲労や精神的ストレスなどにより起こることが多いといわれています。聞こえている側が突発性難聴にならないよう、予防として▽栄養のバランスを考えた食事をとる▽睡眠を十分にとる▽ストレスをためないようにする-などを心がけることが重要です。

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