福井市議会の全員協議会で、財政状況について話す東村新一市長=5月28日、福井市役所

 大雪対策の影響による財政難を解消するため福井市が提案した9カ月間の職員給与の10%削減案を巡り、市は5月28日までに、削減率を引き下げ市職員労組に再提案した。職員労組側は削減案そのものの撤回を要求しており、折衝が続いている。東村新一市長は合意に至らない場合でも条例改正案を市議会に提案する意向も示す。両者の折り合いが付かない場合、最終的な判断は市会に委ねられる。波乱含みの交渉は6月4日開会の市会日程をにらみ正念場を迎える。

 50億円という除雪経費が影響し、市の2017年度決算は約3億円の赤字になる見通し。貯金に当たる財政調整基金も底をつき、本年度予算では約13億円の財源が不足すると市は試算している。

 市は大型事業の先送りや既存事業の見直しに着手しており、市東公園に移転新築する市文化会館整備事業も検討対象に入る。「先送りして一気に財源不足が解消するほどの大きな事業はない」(市財政課)ため、150に及ぶ事業を細かく見直し、少しずつ財源をかき集める方針だ。

 それでも8億円が不足する見込みで、7月から来年3月までの9カ月間、全常勤職員の給与10%、管理職手当10%、特別職報酬20%削減を職員労組に8日提案した。

 職員労組は反発、17日に緊急集会を開くなど削減案撤回を求めてきた。

 その後も交渉は続き、関係者によると、市は25日、削減率を引き下げ再提案した。一律10%ではなく、若手に配慮する形で職員の等級に応じ5~10%の間で削減率に幅を設けたという。

 提案当初、東村市長は報道陣の取材に「(職員労組と)合意がいくらたってもできないということであれば考えなければならない」と、合意がないままでも市会に提案する可能性に言及。6月市会が開会する4日に条例改正案を提案するかが一つのポイントになりそうだ。ただ、日程上は議案が付託される14日の総務委員会までに提案すればよく、ぎりぎりまで労使交渉を行うことも考えられる。

 職員労組の野田哲生委員長が28日も「労使合意がないままの議案提案はありえない」との姿勢を崩していない中、市会の青木幹雄議長は「労使の合意が重要」と市と職員労組の交渉を注視する。また、市長ら特別職が報酬2割削減を検討していることについて、議員報酬が特別職に倣っている慣例を踏まえ、「我々も対応を考える必要がある」と減額への同調をにじませた。

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