水田の中に浮かぶ猫の形をした林=福井県大野市蕨生

 福井県大野市蕨生の水田の中に猫の顔のような形の林が見える。丸みを帯びた顔に、ちょこんと耳が二つ。緑が茂り自然に形作られた林は、まるで田んぼに浮かぶ無人島のようだ。

 土地を所有する城地治道さん(62)によると、桜や栗などの広葉樹の中で2本の杉が高く伸び「たまたま角が生えたような形になった」。林の中には経ケ岳が噴火した時に飛んで来たとされる巨大な岩がある。山伏が修行をしたという言い伝えから「山伏岩」と呼ばれている。

 地元の富田地区では「岩の下に宝が埋められているのでは」「たたりを恐れ、1960年ごろの土地改良の際にも塚の周りが残された」とも言われる。今は地域の「宝」として、林の近くに岩を紹介する看板が掲げられている。

 角や耳が生えたような姿に「なるほど言われてみれば…。新緑シーズンならではの風景やね」と話すのは、林の正面に住む城地諭さん(73)。近くでは中部縦貫自動車道の延伸に向け「道の駅」の整備が進んでおり「(観光客向けに)岩を中心に周遊コースを設定する構想が住民の中にある。一つ一つの見方を変えれば地域の宝がもっと見つかるかも」と目を輝かせた。

 林は国道158号の中休交差点から南へしばらく行った所から見ることができる。水田に囲まれているため、地元では「遠くからの眺めを楽しんでもらえたら」と話している。

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