10年ほど前から、足の指の裏が全部痛みます。いくつかの病院を受診しましたが、見た目やレントゲンの画像では異常がなく、はっきりした原因が分かりませんでした。寝ている時以外はいつも、指の先端から腹の辺りがじんじんと痛みます。特に歩いた後はひどくなり、横になっても治まらず、毎日悩んでいます。(福井市、65歳女性)

【お答えします】 北島和人 福井赤十字病院神経内科副部長

! 多発性神経炎、足根管症候群か

 足先の痛みの原因となる疾患は皮膚、関節、骨、神経の異常など多岐にわたります。見た目やレントゲンで異常がない、とのことですので、神経障害に絞って話を進めます。
 まず、ご質問の内容からは、多発性神経炎が考えられます。これは四肢の末端から左右対称に神経障害が起こるものです。原因として一般的には、▽糖尿病、がんなどの全身的な疾患▽アルコール、有機溶媒など薬物の中毒によるもの▽自己免疫性、遺伝性のもの-などがありますが、原因がはっきりしないこともあります。
 その他には、足根管(そくこんかん)症候群なども考えられます。足の神経は、ふくらはぎから内くるぶしの足根管と呼ばれる管を通り、足の裏から足の先に至っています。この足根管の部分で神経が圧迫されると痛みを伴います。特に、立ったり、歩いたりすると痛みが生じやすく、安静にすると軽減しますが、時には休んでいる間も痛みが生じることもあります。

! 障害が起きている部位を確認

 診断は、まず患部の診察を行います。足根管の周囲など神経の圧迫が起こりやすい部位をたたくことで、痛みが広がるかどうかをみます。検査としては、神経伝導検査を行います。神経伝導検査とは、神経が通る部位に沿って電気刺激を加え、刺激が伝わる速度を測定したり、筋肉の反応をみることで、神経障害が起きている部位を調べるものです。
 これによって、多発性神経炎のような神経の末端からの障害なのか、足根管症候群のように神経が通っている途中の障害か、また障害が起きている部位はどこなのかを確認します。ただ、下肢の神経伝導検査は技術的にやや難しく、十分な検査結果が得られない場合もあります。

! 異なる治療 神経内科の受診を

 治療ですが、多発性神経炎の場合は、基礎疾患があれば、その治療を行うことが大切です。神経障害の改善には、栄養効果を期待してビタミンB12製剤の内服などをします。痛みに対しては消炎鎮痛剤や抗うつ剤、抗てんかん剤などを使うこともあります。
 足根管症候群の場合は、多発性神経炎と同様にビタミンB12製剤の内服なども行いますが、症状が重い場合は神経を圧迫している部分に対しての処置もします。ステロイド薬と局所麻酔薬の混合液を患部に注射すると痛みは軽減します。他にはギプス固定や、神経の圧迫を軽減するために、装具を着用する方法、手術によって神経の圧迫を取り除く方法などがあります。
 いずれにしても、診断結果により治療方針も異なりますので、一度神経内科を受診することをお勧めします。

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