コンサートの休憩中、にぎわうロビー=3月、福井市の福井県立音楽堂

 福井県文化振興事業団は、クラシック音楽のコンサートを企業の社員研修に利用してもらう新たな取り組みを始める。一流の演奏を聴いたり曲の解説を教わったりすることで教養が身に付くほか、コンサート会場のロビーは企業人らの社交の場にもなるとして、利用を呼び掛けている。

 同事業団がある福井市の県立音楽堂の佐々木玲子チーフディレクターによると、クラシックコンサートの休憩中、ロビーでは聴衆が会話に花を咲かせる光景が見られる。企業関係者も多く「いろんな会社の社長、部長、若手らが立場を超え、共通の趣味を通じて感動を共有できる」という。

 クラシックに興味を持つことはビジネスマンにとって有益と考え、社員研修への利用を企画した。研修をきっかけにクラシックが趣味になれば、企業人との付き合いが広がってビジネスチャンスにつながったり、会話で自分を印象付ける武器になったりすると期待できる。

 2018年度は6、10、1、2月の4回の公演を研修の対象とする。オーケストラの演奏会やオペラで、いずれも世界一流の演奏家が舞台を務める。県立音楽堂大ホールの約1450席のうち、S席の50席を研修生用に充てる想定だ。研修料は正規料金の半額とする。

 参加は企業を通じて申し込んでもらう。初心者でも安心して聴いてもらえるよう、開演前にはクラシック音楽講座を開く。同事業団職員や専門家が講師を務め、その日の演奏を聴くポイントや鑑賞マナーを教える。

 1回目は、6月15日に行われるエストラーダ指揮のフランクフルト放送交響楽団の公演。午後5時半から名刺交換会、同6時から講座、同7時からコンサート鑑賞というスケジュールで、既に申し込みを受け付けている。研修料は6千円。

 県立音楽堂の橋本恭一プロデューサーは「若手社員らは仕事だけに目が向きがちだが、音楽を通じて心の豊かさを持ってもらい、それが仕事にも生きることを研修で伝えていきたい」と話した。

 問い合わせ、申し込みは同事業団=電話0776(38)8288。

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