「ひきこもり支援では情報提供に徹してきた」と話す菊池会長=3月、秋田県藤里町

 ひきこもりの人を含む若者支援を長年展開している秋田県藤里町社会福祉協議会の菊池まゆみ会長(62)に、地域福祉の観点からのひきこもり対策について聞いた。戸別訪問を繰り返し、福祉のニーズを聞き取ってきた菊池会長は「みんな情報を欲しがっていた。ひきこもり支援とはカウンセリング相談と思いがちだが、施設やその機能、仕事、講座などに関する情報を提供し続けることを心掛けてきた」と話した。

 ―ひきこもりなどの若者支援を始めた理由は。

 「高齢化が4割を超える町で、次世代の担い手が必要だと思った。一般的な就職が難しいひきこもりの人も、特に力がないわけではない。彼らの力を借りたまちづくり、地方創生がある」

 ―福祉の拠点「こみっと」は調理、サークル室、レストランなど多機能で、幅広い世代が集う場になっている。

 「匿名性が確保できない点はあったが、誰でも気軽に出てこれる場所にしたかったし、内向きのサロンにしたくなかった。ひきこもりの人がサロンの中で優等生であっても、社会ではあまり意味がないと思ったし、サロンのニーズもあまりなかった」

 「誰がどんな立場の人か分からないから、あるボランティアのおばちゃんは、ひきこもりの男性に『ひげ伸び放題だね。そってきなさいよ』と悪気なく言っていた。翌日、男性はきれいさっぱりしていた。そのおばちゃんは履歴書の書き方が分からず、(ひげをそった)男性に教えてもらっていた。結果的にここが一つの地域社会になっていた」

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