男女が相撲に親しんでいる写真を採用した「わんぱく相撲おおの場所」の本年度ポスター=4月16日、福井県大野市内

 日本相撲協会が今春から巡業の「ちびっこ相撲」の参加児童を男子に限る方針を決めた一方、福井県内で小学生の大会を開く主催者は「伝統を重んじる大相撲とは世界が別」と女子の参加を従来通り受け入れる方針だ。昨年の大野市の大会では女子児童が勝ち上がったが、協会などが主催する両国国技館(東京都)での全国大会は出場を見送らざるを得なかったケースがあった。アマチュア相撲界はむしろ五輪種目採用を目指し女子の競技人口拡大を図っており、県相撲連盟は「今後も女子選手に広く門戸を開いていきたい」としている。

 日本相撲協会の方針が明らかになったのは、静岡市で8日に開催された大相撲春巡業がきっかけ。力士が土俵上で稽古をつける「ちびっこ相撲」に、これまで参加できていた女子児童の参加が認められなかった。福井県内でも巡業は開かれてきたが、県相撲連盟の堀智行事務局長は「大相撲の土俵は女子が駄目と聞いていて、募集をかけてこなかった」と明かす。

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 大野市では毎年6月、市内全10小学校がエントリーする「わんぱく相撲おおの場所」が開かれ、男女混合戦で頂点を決める。昨年度は239人がエントリーし、学年別の個人戦で上位の4~6年生が全国大会への出場権を得た。

 ただ、全国大会会場の両国国技館の土俵は女人禁制とされ、出場は男子に限定されているため女子が入賞した場合は男子が繰り上げ出場する決まり。昨年度に5年の部で優勝した大野市の女児(11)も出場はかなわなかった。直前1カ月間は毎日1時間の練習を続け頂点を勝ち取っただけに「相撲で思い残すことがないと思うくらい、めっちゃうれしかった。全国でもいろいろな相手と戦ってみたかったな」とつぶやく。

 母親(48)は「そういうものだと思っていたが騒動で話題になり、国技館の土俵に女性が上がれないのはおかしいと思った」。けがの恐れを理由に女児が大相撲巡業に参加できなくなったことには「けがが嫌ならそもそも出ない。女子を土俵に上がらせないための言い訳にも聞こえる。昔ながらの伝統でも、時代に合わせて変えていくべきでは」と疑問を投げ掛ける。

 大野青年会議所(JC)などでつくる大会の実行委員会は、本年度も女子の参加を募集中。委員長の松井孝浩同JC出向特別理事(36)は「何事にも果敢に挑む心身を育む場として定着している」と意義を語る。福井JCとともに福井市でわんぱく相撲を開いている市相撲連盟の川村正男会長も「男女の差別はしない。日本相撲協会から要請があったとしても変えるつもりはない。伝統を重んじることは理解できるが、今の時代に合っていない」との見解だ。

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