住宅をのみ込む山の崩落が起きた大分県中津市耶馬渓町の現場=4月11日午後4時25分

 大分県中津市で4月11日未明に起きた山崩れ現場が指定されていた「土砂災害特別警戒区域」は、福井県内でも1万455カ所に上る。福井県は砂防堰堤や擁壁の整備といった対策を順次進めているが、県内の区域指定が完了した2015年度末以降の2年間で、指定が解除されたのは17カ所にとどまる。予算と時間を要するハード面の対策は、一気には進まないのが現状だ。

 今回の山崩れは大雨などを伴わず、目立った予兆がなかったとされる。福井県砂防防災課は「予兆のない全ての区域で対策を取るのは現実的に難しい」と説明。各土木事務所のパトロールを継続し、落石などの情報があればすぐに現場を確認できる態勢を維持する。今後、新たな知見が得られれば、国と協議して必要な対応を取るという。

 同課は「区域指定は住民に危険性を認識してもらうのが目的。倒木の音、河川の濁りといった異常があれば、すぐに避難できるよう準備をしておいてほしい」と強調した。

 昨年末に集落の県道で大規模な土砂崩れがあった福井市蔵作町の自治会長井上哲夫さん(57)は「(大分の土砂崩れは)規模や範囲など怖さを感じる。もしもの時には前触れがあると思うが、予想のつかない災害は起こり得る。集落全体でささいな変化やちょっとしたことでも声を掛け合っていくことが防災や避難対応につながる」と話した。

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