ジェラートの日本選手権で優勝した森國晶子さん。手にしているのは、自由部門1位に輝いた「小春 ローズマリーベリー」=福井県福井市福新町の「ジェラート トリノ福井本店」

 国内外のジェラートコンテストの上位入賞者だけが出場できる日本選手権で、福井県福井市などでジェラート店6店舗を経営する森國晶子さん(38)=同市=が優勝した。2月の記録的大雪で材料が届かず十分な練習はできなかったが、滑らかな食感やデコレーションにこだわった新作で栄冠をつかんだ。「自分の実力に不安があったので、やっと少し自信が持てた」と控えめに笑った。

 日本選手権は日本ジェラート協会(東京)が3月9日、千葉県で初めて開催した。同協会が「マエストロ」に認定している職人約70人のうち、日本とイタリアのコンテストで入賞経験のある8人が出場した。アーモンドを使う課題部門と素材を問わない自由部門の総合成績を競った。

 森國さんは2013年の第1回全国コンテストの優勝者。2月の大雪で物流が混乱し、生クリームやデコレーション用の野菜などが確保できず、試作や盛り付けの練習が進まなかった。事務局からも出場を取りやめても構わないと言われたというが、決意は揺るがなかった。

 ケーキのデコレーションの本を何冊も読み込んだり、インターネットで参考になる作品の資料を集めたりして、アイデアを膨らませた。「作品を目で楽しんでもらうために、デコレーション技術をとことん勉強した」

 課題部門に出品した「深いりアーモンド 松の実のキャラメリゼと共に」は、観覧車風のあめ細工や、ジェットコースターを思わせる曲線の装飾などで遊園地をイメージした。自由部門の「小春 ローズマリーベリー」は、イチゴのピンクやラズベリーの紫といった鮮やかな色合いで春の風景を表現した。食感を滑らかにするためヨーグルトを混ぜるなど工夫を凝らした。

 課題部門で3位、自由部門で1位となり、優勝を決めた。審査員の酒井隆同協会長は「工夫と独創力が、商品のイメージに合っていたかが勝敗を分けた」と総評した。

 「まだ優勝の実感がないが、やりきった感覚はある。楽しかった遠足が終わったような気分」と森國さん。地元の食材や珍しいスイーツを組み合わせた「福井ならではのジェラートを作ってみたい」と情熱を燃やしている。

 出品した2種類のジェラートは福井市福新町の「ジェラート トリノ福井本店」などで販売している。

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