ネットイースが越境ECサイト「考拉」で扱っている外国商品=3月、中国・杭州市

 キャッシュレス化が進む中国では、さまざまな国の商品をインターネットで通信販売する「越境EC(電子商取引)」が盛況だ。中間所得層の増加や外国旅行ブームなどもあり、他国の高品質な製品への需要が増加。外国を訪れた中国人観光客の「爆買い」が沈静化する中、新たな消費行動として注目されている。

 日本の経済産業省がまとめた2016年の日本、中国、米国3カ国間における越境EC市場調査によると、日本、米国からの中国への販売額は計約2兆1千億円(うち日本は約1兆円)で、前年比32%増と飛躍的に伸びている。18年は3兆円超、20年には4兆円に迫ると試算されている。

 中国の大手IT企業ネットイースが運営する通販サイト「考拉(コアラ)」が越境ECの国内最大手。同社は80カ国5千以上のブランドの商品を扱い、17年の売上高は約2800億円を誇る。日本製品の人気は高く、特に紙おむつが売れ筋という。

 同社の説明では、越境ECは一般貿易と違い、外国の商品を売るのに特別な許認可が不要なのが特徴だ。例えば日本の化粧品を輸入して販売しようとすると、当局の許認可を得るのに1~3年もかかる。これが越境ECだと、日本で発売された2週間後には販売が始められるという。同社は越境ECを「行政が消費者のことを考えて作った特別なルート」と説明する。

 行政はEC産業の後押しに積極的だ。同社がある浙江省の商務庁は、越境EC発展試験区を設けたり、EC企業の創業や企業への投資を促す事業を行ったりして環境整備に力を入れている。

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