ツキノワグマによる人身被害対策を話し合う関係者=4月9日、福井県庁

 2017年4~8月にかけ福井県内で報告されたツキノワグマの出没件数が283件あり、04年度の調査開始以来最多だったことが4月9日、県のまとめで分かった。過疎化や耕作放棄などで人里に下りるクマが増える傾向にあり、県や各市町は今年も出没の可能性が高いとみて、登山、行楽シーズンを前に住民らに注意を呼び掛けていく。

 県庁で同日開かれたツキノワグマ出没対策連絡会で報告があった。県自然環境課によると、4~8月は14年度の222件(年間653件)をピークに減少していたが、17年度は283件(同354件)と増加に転じた。

 特に嶺南は、これまで最多だった16年度の72件を大幅に更新、124件に上った。小浜市は16年度と比べ約5倍となる34件、高浜町35件、おおい町24件だった。17年度の人身被害は、5月に同市で有害捕獲隊員が襲われるなど計3件あった。

 同課は、クマの個体数が増えたわけではなく報告意識の高まりが件数を押し上げていると推測しつつも、「山間部での過疎化や耕作放棄が進み、クマの生息域が拡大している」と分析。

 ▽山に入る際は鈴やラジオを鳴らす▽足跡やふんを見つけたら引き返す-などと、遭遇しないよう注意を促すチラシも作成した。冬眠明けのクマは活動を徐々に活発化させ、6月にかけて出没件数が増える傾向にある。

 会合には県や市町、猟友会、県警などの担当者約40人が出席した。

関連記事