4月からスタートした新専門医制度で、従来の後期研修医に当たる専攻医の登録がまとまり、福井県内の医療機関の採用は計39人となった。特に専攻医の大部分が希望する研修先を決めた1次登録の採用は計33人にとどまり、人口10万人当たりで「全国30位台半ば」(県地域医療課)と苦戦した。研修を受けながら現場で診療に当たる専攻医は、将来的な医師確保につながるとみられ、県は新制度の影響を注視している。

 新制度は、医師国家試験に合格し免許取得後に、国が義務付けている2年間の初期臨床研修を終えた人が対象。専攻医として研修プログラムの基幹施設に採用され、連携する複数の医療機関も回りながら専門領域の知識や技術を学ぶ。これまで各学会が独自に認定していた専門医を、第三者機関の「日本専門医機構」が統一的な基準で認定する。

 福井県内では福井大医学部附属病院、県立病院、県済生会病院、福井赤十字病院、福井総合病院、市立敦賀病院、杉田玄白記念公立小浜病院、国立病院機構あわら病院の8病院が基幹施設に選ばれた。18の専門領域で計約150人の専攻医を募集した。

 県も福井大医学部の教員を中心にした手厚い指導・相談体制や、専門医の資格取得に対する助成制度、住みやすさをアピールし、県内基幹施設での研修を促してきた。1次登録では、外科で東京での研修希望者が170人に上る一方、福井県が2人など27県は10人未満。内科でも東京が520人に対し、福井県が11人など9県は15人以下となった。福井県は18領域全体でも計33人にとどまった。

 県地域医療課によると近年、医師免許を取得した50~60人が県内の医療機関で2年間の初期研修を受け、後期研修医はその6~7割の傾向だった。同課は「若手が確保できなければ医療体制の維持が難しくなる」と指摘する。

 新制度を巡り、指導医の数など研修機関の基準を満たす医療機関が多い大都市部に専攻医が集中し、地方の医師不足に拍車をかける恐れがあるとの懸念は根強い。西川一誠知事が会長を務める全国自治体病院開設者協議会も、国に医師の偏在是正を繰り返し要請してきた。

 1次登録の状況を踏まえ、日本専門医機構は東京や大阪など5都府県で一定の採用があった診療科の2次登録を行わない措置を取った。同課は「県内の初期研修医の動向や新制度の影響を分析した上で、(同機構の)措置が妥当だったかも検証し、必要ならば医師偏在を助長しないよう国に働き掛けていく」としている。

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