2008年秋に、がんで胃の3分の2を切除しました。これまで逆流性食道炎の薬を飲んでいましたが、よくなったのでやめました。最近、また口の中に苦みを感じたので、同じ薬を飲んだところ、じんましんが出ました。じんましんは治まりましたが、とても体力に合わない感じがして、今は薬を飲んでいません。就寝時には上半身に角度を付けるなど気を付けているつもりですが、このままの繰り返しでは不安でなりません。(福井市、85歳女性)

【お答えします】 藤永 晴夫県立病院消化器内科医長

! 胃切除でよくみられる合併症

 逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流して食道の下端に炎症を起こすことによって、苦い液や酸っぱい液が上がってくる胸焼けを感じたり、のどや胸に痛みを感じる疾患です。
 相談では胃の3分の2を切除したということですが、食後に腹痛や下痢などを催すダンピング症候群などとともに、逆流性食道炎は胃を切除した人によくみられる合併症の一つです。
 これは手術によって胃の入り口(噴門(ふんもん))や出口(幽門(ゆうもん))の逆流防止機能が損なわれ、酸性の胃液や刺激の強いアルカリ性の腸液(胆汁(たんじゅう)や膵液(すいえき))が食道に逆流するために起こる症状です。

! じんましんはアレルギー症状か

 治療は、胃酸が主体の逆流なら胃酸分泌を抑えるH2ブロッカーやプロトンポンプ阻害剤などを、アルカリ性の腸液の逆流には膵液の働きを阻害する膵タンパク分解酵素阻害剤などを飲んでもらいます。これらの他に、粘膜を保護する薬剤や消化管運動改善薬などが有効な場合もあります。
 生活習慣の改善も重要で、相談にあるように就寝時に上半身を高くすることは効果があると思います。そのほか、▽一度に食べ過ぎない▽脂肪やチョコレート、コーヒー、アルコールなど胃酸の分泌を促すものの摂取を控える▽食後2時間は横にならない▽たばこを控える▽便秘にならないようにする▽肥満に注意する―なども有効です。
 逆流性食道炎の薬を再開したところ、じんましんが出たそうですが、これは薬に対するアレルギー症状の可能性が考えられます。同じ薬を飲むとまたじんましんが出る可能性がありますが、逆流性食道炎の薬剤にはそれぞれ複数の種類がありますので、他の薬剤であれば出ない可能性も十分に考えられます。

! 定期的に内視鏡検査を受ける

 また、定期的に内視鏡検査を受けることも大切です。逆流性食道炎の状態を評価するためだけでなく、それ以外の症状の原因となる病気の有無を確認するためでもあります。がんの手術後ということですので、再発の有無の評価のためにも重要な検査です。
 まずは先に挙げた生活習慣の改善を意識していただいた上で、あらためてかかりつけ医に相談されることをお勧めします。

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