胆がん・膵がんの種類

 初期段階の自覚症状が乏しく治療が難しいといわれる膵がん、胆道がん。福井県済生会病院(福井市)は内科、外科の専門医チームによる「膵疾患外来」(2015年開設)の治療範囲を本年度から胆道疾患に広げ、北陸初となる「胆道・膵疾患外来」を設けている。生活習慣や既往症などのリスクの点数化や画像の精査、超音波検査の積極活用などでがんの早期発見・治療につなげている。

 膵臓は胃の裏側にある長さ15センチ、厚さ2センチの細長い臓器で、食物の消化を助ける膵液や糖をエネルギーに変えるインスリンの分泌をつかさどっている。胆道は肝臓でつくられた胆汁を十二指腸に運ぶ通り道の総称。消化を補助する胆汁をためる袋状の胆のうと、胆汁が通る胆管からなる。がんは発生した部位によって膵臓は膵頭部がん、膵体部がん、膵尾部がん、胆道は胆管がん、胆のうがん、乳頭部がんに分類される。

 膵臓、胆道のがんは初期段階で特有の自覚症状がなく、周辺に胃、十二指腸、肝臓、脾臓など重要な臓器や血管、神経が集中して転移しやすいことから、発見されたときには既に重症化しているケースが多い。治療は「外科治療ができるか否か」が重要なポイント。手術可能な状態で発見されるのは膵がん4割、胆道がん6~7割。切除できれば根治する可能性が高くなり、早期発見・治療が重要だ。

 同病院では、年齢や生活習慣、既往歴、家族歴などに分けて膵がん発症のリスクを点数化した「リスクカード」を活用。どのような検査が必要かを判断する一つの目安としている。これにより外科手術可能な症例が増え、比較的早期の「ステージ1」の患者を年間8人程度見つけ、外科治療につなげている。外科の寺田卓郎医長は「膵がんについては近年、よく効く抗がん剤が登場しており、当初は切除不能であっても化学療法によってがんを小さくすることで、切除可能になるケースも増えている」と語る。

 一方、胆道がんの発生原因やリスク因子は詳しく分かっていない。日本胆道学会の認定指導医である内科の野村佳克医長は「現状では病変を発見する機会を持ち続けることが大切」と、健康診断などで定期的に腹部超音波や血液検査を受ける重要性を説く。

 同病院では他の医療機関からの紹介者が増え、わずかな画像変化や採血データの異常でも精査を依頼されるなど実績を上げている。胆道・膵疾患外来は火、水曜の午前に開設。原則予約制で地域のかかりつけ医からの紹介が必要。

関連記事