わずか1年での200出店を目指す

今2018年12月期については、前期比2.8倍となる出店200を計画する。2017年12月末時点のいきなり!ステーキの国内店舗数は186店であることから、わずか1年で総店舗数を倍以上にする計画だ。

ラーメンチェーンの幸楽苑ホールディングスは2017年10月にペッパーフードサービスとフランチャイズ契約を結んだ(編集部撮影)

「郊外店の出店が好調だったので、昨年の8月くらいからこれは200店行けるのではないかと真剣に考え始めた。4年間かけて200店近くに到達したが、それを1年間でやる」(一瀬社長)

出店加速のカギとなるのがフランチャイズ(FC)による出店だ。もともとは大半の店舗が直営による運営だったが、昨年ごろからFCによる出店も増やしている。2018年は200店のうち120店をFCで出店する計画だ。

いきなり!ステーキの圧倒的な売り上げを見て、ラーメンチェーン・幸楽苑ホールディングス(HD)のように新規にFC加盟する企業も増えている。

幸楽苑HDは既存のラーメン業態を転換し、3月末までに6店、18年度は10店程度の出店を予定している。一瀬社長は「メガフランチャイジー向けの加盟説明会を開いているが、成約数は非常に多い」と語る。

立地については、コンビニの退店案件を活用しているほか、ロードサイドの洋服店や書店の敷地内に照準を合わせ、選定していく構えだ。

ただ、これだけの大量かつ、FCメインの出店はペッパーフードサービスとして過去に例がない。仮に出店が果たせたとしても、直営店舗で実現してきたような収益性や店舗運営力を保てるかは未知数だ。

社員教育を徹底できるか

懸念されるのがFC店舗を指導する本部社員の教育だ。2017年12月末時点のペッパーフードサービスの社員数は530。店舗網の拡大に対応すべく、足元では1カ月に30~50人ほどの正社員が入社しているという。

一瀬社長が直々に経営理念を語る「社長道場」と銘打ったプログラムなどを用意し、教育に力を入れているとはいえ、急速な人員増加の中でもこれまでのような育成が継続できるのか。店舗を指導する人材の育成が十分にできなければ、店舗ごとの売り上げに大きなバラツキが出る可能性もある。

また、いきなり!ステーキは肉などの原価率が6割近くに上る一方、高回転率によって利益を確保するビジネスモデルだ。裏を返せば、客数の減少によって売り上げが下がれば、一気に業績が悪化するリスクもある。

外食チェーンでは、大量の出店を急ぐあまり、店舗立地の選定を誤ったり、人材確保や教育が追い付かずに客離れを招く、というケースが往々にしてある。1月の既存店売上高は前年同月比7%増とまずまずのスタートだった。既存店の伸びを継続しながら、もくろみどおりの店舗網拡大を実現できるか。2018年はいきなり!ステーキにとって勝負の年となりそうだ。

ペッパーフードサービスの会社概要 は「四季報オンライン」で(常盤 有未 : 東洋経済 記者)

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