県道にたまった大量の雪を取り除く除雪車=8日午前1時37分、福井市西木田2丁目

 「必ずきれいに開いていた県道が雪に埋もれていた。40年近く作業に当たっているが、こんなことは初めて」。福井市内の市道の除雪を行っていた建設業者社長(67)は7日夜の光景に目を丸くした。豪雪も想定していたはずの県の除雪計画が、机上の空論だと実感した瞬間だった。

 社長によると、業界には”縄張り”のような暗黙のルールがあり、市道担当の業者は担当外の県道を勝手に除雪できない。「除雪されていない県道を目の前にして何もできない。もどかしかった」と振り返る。

 縄張りの元となるのは、県や市町の平常時の除雪計画だ。県の除雪計画では平常時、最大610台が県管理道路を除雪する。一方、今回のような異常時に出動する業者は県の指示で、除雪が追い付かない路線に随時駆けつけることになっている。異常時の最大稼働台数は1765台。排雪用のダンプトラックや嶺南地域の除雪車を約750台除いても、嶺北では約1千台が同時に県管理道路を除雪できるはずだった。しかし今回の1日当たり最多稼働台数は、2月5~6日の687台(県まとめ)にとどまった。

 では、応援に駆けつける300台はどこに行ったのか。異常時の出動業者も普段は市町道や民間の除雪を担っている。各自の“縄張り”以外を応援する余裕がないのは想像に難くない。この課題は2011年の大雪でも指摘されていた。1千台の除雪車が本当に動けるか検証しないまま、数字だけが積み上がっていた。豪雪時に当てにしていた300台の”余裕”は実際にはなかったのだ。

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