雪に埋まったトラックの救出に向かう陸上自衛隊員=6日午後6時10分ごろ、福井県あわら市熊坂の国道8号

 福井県を襲った1981年の「五六豪雪」以来の記録的大雪。社会が大きく様変わりする中で、自治体や私たちの備えは十分だったか検証する。

 福井県北部、嶺北地方を中心に大雪が猛威を振るい始めた2月6日午前9時ごろ、福井県庁で開かれた県の連絡会議で辻義則土木部長が短く報告した。「北陸道が通行止めのため、国道8号が九頭竜川付近から石川県境まで渋滞」。西川一誠知事は何度か状況を聞き直したが、詳細な情報はなく、すぐに話題はJRなど公共交通機関の状況に移った。

 福井県を貫く大動脈の一つ、国道8号の福井県坂井市から石川県加賀市の現場では、行く手を遮られた車に、やまぬ吹雪が襲いかかっていた。福井県敦賀市に向かっていたトラック運転手松本一男さん(59)=金沢市=は、7日の福井新聞の取材に「6日午前6時半ごろから動けなくなった」と語った。一時約1500台に及んだ大規模な立ち往生が静かに拡大していた。

 福井地方気象台の観測によると、5日深夜から6日朝にかけて福井市で1時間当たり5センチ前後の激しい雪が降る時間帯が続いた。この雪で5日午後11時40分、北陸自動車道が富山県内から武生インターチェンジ(IC)にかけて上下線で通行止めになった。並行する国道8号に車が一気に流れた。

 中日本高速道路は、事前に他県の除雪関連車両70台を加え、福井県内に約200台を配置して今回の大雪に備えていたが、近年にない強い降雪に路面状況がみるみる悪化した。金沢支社広報CSチームの野村俊道サブリーダーは「できる手だては尽くしたが通行止めを防げなかった」と説明する。

 国土交通省福井河川国道事務所によると、国道8号では6日午前8時ごろに福井県あわら市笹岡付近の上り線で大型車が停車してチェーンを付け始め、同9時20分ごろには同市熊坂付近の下り線でも大型車が脱輪し動けなくなった。国道8号の福井・石川県境付近は、山際を通る上、片側1車線の区間がほとんど。上下線で流れがストップした。通勤時間帯で車列が次々と連なり、スリップなどで動けなくなる車が相次いだ。

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