◆福井の豪雪の日々

 「ニューヨーク・タイムズ」に福井の豪雪の状況が大きく取り上げられ、アメリカでも一躍、この豪雪で福井が知られたということを。近くに住むアメリカから来られた方が話してくれました。その新聞を読んだアメリカのその方の家族の方が大変心配されて、すぐに帰って来るように言われたとジョーク交じりで話してくれました。そんな家族の心配をよそに、本人たちは友人たちと寒さ厳しいアメリカとはまた雪質が違うという降り積もった福井の雪が珍しいのか、うれしかったのか、まるで子どものように雪とたわむれて、はしゃいでいる様子をスマートフォンで撮った写真で見せてくれました。

 学校が休校になる前の雪が激しく降り始めた当初には、孫たちがバスに確実に乗れたかの確認のためもあって何日か朝早くバス停まで送って行きました。そうした早朝の、吹雪く厳寒の中、それまでの降り積もったままでの除雪が全くなされていない、でこぼこでアイスバーン化した道路状況のなかを、車を運転していく多くの福井の人たちの姿に、どんな現実をもものともせず果敢に立ち向っていく福井の人の強さや、忍耐強さを見せつけられた思いでした。そしてそんな福井に住む人たちの生活に対する底力が頼もしくおもえると同時に頭の下がる思いの日々でした。

 平常、市内バスで駅前まで10~15分くらいで行けるところが、この悪路の渋滞で1時間半ほどもかかるという混迷ぶり。そうした状況のなか、孫たちの学校も、今日も、今日もと、これまでにこのような休校の在り方があまりなかった休校が続きました。

 そうした日々のなかでとても心痛むことがありました。それはこの豪雪の寒さのなかで遭遇した登校する中学生や、高校生たちのそのいでたちでした。外套も着ないで制服のままで登校する学生や、女生徒はスカートで、素足のままで、足首くらいまでの短いブーツであの深い雪の中を登校する姿でした。寒くないのと声をかけると寒いというのです。なぜコートを着ないのかと問うとだれも着ていないからだというのです。ホッカイロは体にいくつか貼り付けているというのです。そして、首には厚手のショールは巻いてはいるのですが。靴のなかに雪は入らないの?と聞くと、入って濡れて冷たいというのです。大人だったら決して我慢ができることではないのです。

 これまで暖冬ということもあってのことかもしれません。また人一倍おしゃれに関心がある年頃であるということもあるのかもしれません。あるいは若いから体が温かいとか、体を鍛えるとかの理由もあるのかもしれません。いろいろな理由付けはなされることでしょう。しかし、福井は、雪国です。

 体を冷やすことは万病のもとです。ましてこの少子化といわれる日本です。若い青少年が特にこうした厳しい寒さの冬場において、体を冷やすことは決して良いことではありません。体を冷やさないような十分な配慮を各御家庭や教育現場においても優先しておこなって、子どもたちを寒さから守ってあげてほしいとこの厳寒のさなかで遭遇した光景のなかで切に思われたことでした。

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