【問い】小学3年の娘は、小さいころから耳垢(あか)が生キャラメルのような感じでした。こうした状態は、わきがの確率が高いと聞き、心配になりました。現在は臭いもなく、本人も気にしていませんが、将来悩むとかわいそうです。今からできる対処法があれば教えてください。(越前市、女性)

 【お答えします】 西川美都子福井総合クリニック皮膚科医長

 !耳垢に二つのタイプ

 耳垢にはヌレ耳、アメ耳などと呼ばれる「湿型」と、乾燥している「乾型」の二つのタイプがあります。
 日本人の場合70~80%が乾型ですが、ヨーロッパ人やアフリカ人では、ほとんどの人が湿型で、人種や地域により差があります。
 また、耳垢のタイプは遺伝します。両親のどちらかが湿型の場合では約50%、両親の両方が湿型の場合では約75%の確率で子どもも湿型になります。両親とも乾型の場合は、子どもが湿型になることはありません。

 !湿型の耳垢、わきがが多い

 耳垢と、わきが(腋臭症(えきしゅうしょう))の関係ですが、湿型の人では腋臭症が多いことが分かっています。1934年の研究では、湿型の人のうち80%が腋臭症でした。一方、乾型の場合では、腋臭症になることはほとんどありません。
 なぜ耳垢のタイプと腋臭症に関連性があるかというと、耳の穴やわきにはアポクリン汗腺という共通の分泌腺があるからです。
 湿型の遺伝子を持つ人では、耳やわきのアポクリン汗腺の数や分泌量が多いため、耳垢がぬれたようになったり、わきの臭いが強くなったりすると考えられます。日本人では、腋臭症は1割程度といわれていますので、耳垢が湿型の場合でも必ずしも腋臭症になるわけではありませんが、それがなぜなのかはまだ分かっていません。

 !規則的生活とバランスよい食事を

 では、腋臭症の予防はどうしたらよいのかということです。アポクリン汗腺は思春期に発達しますので、腋臭症は思春期前後に発症します。発症した場合は、アポクリン汗腺を取るような手術治療などがありますが、前述のようにアポクリン汗腺の数や分泌量が多い体質は、生まれつき決まってしまいますので、アポクリン汗腺を予防的に減らすことは難しいです。
 腋臭症は、アポクリン汗腺の分泌物が、皮膚表面の細菌に分解されることにより、独特な臭いのもとになるといわれています。このためアポクリン汗腺からの分泌と細菌による分解の抑制が予防になると考えられます。
 ストレスや不規則な生活、動物性脂肪(肉類)の摂取はアポクリン汗腺の分泌を増やすと考えられていますので、規則的な生活リズムや、バランスのよい食生活を心がけるのがよいでしょう。
 また、清潔にすることや抗菌作用のある制汗剤の使用、腋毛(わきげ)の処理によって、分泌物がたまったり細菌が増殖したりするのを抑えられると考えられています。

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