本人以外のパソコンでファイルを開くと消去するプログラムを開発した石川達大さん=福井市の福井大文京キャンパス

 パソコンからの機密情報漏えいを防ぐため、あらかじめ指定した以外のパソコンでファイルを開こうとすると自動的に消去されるプログラムを福井大大学院1年の石川達大さん(22)が研究している。パソコンの基本ソフト(OS)に関わらず動作するように工夫した最新の研究は2017年の全国規模のソフトウエアコンテストで入賞した。企業や官公庁などで情報漏えいが問題となる中、石川さんは「最終的には外部にファイルが出た瞬間に消去するプログラムができれば」とさらなるシステムの深化を目指している。

 情報漏えい防止は、外部にデータファイル自体が漏れないようにするか、ファイルにパスワードのロックをかけることが一般的。だが、コンピューターウイルス感染やハッキングなどでファイルが外部に流出したり、ロックを解除されたりして情報が漏えいすることも少なくない。外部からの悪意あるアクセスに加え、メール誤送信も大きなリスク要因となっている。

 パソコンのセキュリティーに興味を持っていたという石川さんは大学4年時から自己消去プログラムによる情報漏えい防止システムの開発に着手した。今回受賞したのはOSに依存しないよう、プログラム言語「java」を用いたシステム。機密情報の入ったファイルを開こうとすると、プログラムによってパソコンのIPアドレス(識別番号)を取得し、本人のパソコンかどうかを判断する。本人のパソコンの場合は、機密情報の入ったファイルは開くが、違う場合は自己消去プログラムが実行され、漏えいを防ぐ。

 石川さんは「誤送信などによる漏えいはゼロにはできない。外部に出た後に情報が読まれないようにできれば」とプログラムの意義を話す。データファイルの形式を問わず、フォルダごとでも自動消去する仕組みの開発を進めていくとともに「ファイルを開こうとすると消去される方式は、開く前に解析して破られる可能性がある。将来的にはファイルが外部に出た瞬間に消えるプログラムにできれば」と話していた。

 ソフトウエアコンテストは2017年12月16日に東京で表彰式があった「Mashup Awards(マッシュアップ アウォーズ)2017」。石川さんは約4千人の応募のうち、80人に贈られる協賛企業賞に入った。

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