2017年12月26日午前9時半ごろ、北海道留萌市の留萌港で高さ約16mの灯台が下から3mを残して流されました。地元の人はこのような大風大波は経験したことが無いと話しています。

 12月24日9時黄海にあった中心気圧1010hPaの低気圧は、25日は北海道西部に進み976hPaとなり、26日にはオホーック海で948hPaまで発達しました。24時間に34hPa、さらに28hPaと異常なまでの気圧降下です。気圧が下がり気圧傾度が大きくなると風は強くなり、風浪も高くなります。

 筆者が爆弾低気圧という言葉に出会ったのは、小倉義光著「お天気の科学」(1994年発刊)の一節でした。そこには「爆発的に発達する低気圧」とあり、1978年9月にニューヨークに向けて大西洋を横断中のクイーン・エリザベス2号(QE2)は、予期しない暴風にあって事故を起こしました。

 高さ10mを越す大波のため、船体の上部構造の一部が破損し乗客20名が負傷しました。その後の調査により、この暴風と大波は24時間に中心気圧が60hPaも下がる急速に発達した温帯低気圧に伴うものでした。

 米国海洋大気庁(日本の気象庁に相当)は急速に発達する低気圧を予測できませんでした。以後この低気圧は「QE2ストーム」と呼ばれるようになりました。QE2ストームはキャプテン・コスモというトロール漁船を沈没させ、米国のコースト・カードが捜索しましたが、船員・船体とも何も発見できなかったと報告しています。

 このような急速に発達する低気圧は、どこで発生・発達しやすいか、大西洋ではアメリカ東海岸沖、太平洋では本州東海上と日本海となっています。気象庁は爆弾低気圧は不適切な表現であるとの理由で「急速に発達する低気圧」と表現しています。

 気象庁の「エルニーニョ監視速報」によりますと、ラニーニャ現象が2017年10月頃から明瞭になり翌年の春まで続く可能性があると予想しています。ラニーニャと東日本(福井を含む)冬の天候は気温平年並み、降水量は少ない傾向となっています。前回のラニーニャ現象は2010年夏から2011年春でした。この時の福井県地方の最深積雪を調べました。平野部で1mを超す大雪となっています(グラフ参照)。

 福井県地方の12月の降水量は平年より多くなりましたが嶺南西部で少なくなりました。気温は全県で1℃以上低く、日照時間は平年より少なくなりました。降雪量は山間部や山沿いで多くなりました。
 

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