仮処分決定をめぐる経緯

 全国の暴力追放センターが住民に代わって仮処分を申請し認められたケースは、福井地裁のほかに4件ある。

 今年3月に決定を勝ち取った神奈川県のセンターは、違反した場合に1日100万円の制裁金を課す「間接強制」を裁判所に申し立て、9月に認められた。弁護団の1人は「決定を守らせるよう強い姿勢で臨んでいる。違反があれば積極的に金銭請求していく」とする。

 決定後、別の場所に事務所を移したケースもある。昨年9月に全国で初めて決定が出た福岡県では、翌10月に暴力団側が事務所を解体・撤去した。その後、同じ山口組系列の事務所に移ったが、学校から200メートル以内にあるため県条例違反で摘発され、立ち退いた。福井県の条例も学校の200メートル以内では新規開設を禁じている。

 今年10月、全国で初めて指定暴力団の本部事務所に使用禁止の仮処分決定が出た神戸山口組は、兵庫県淡路市の本部を「閉鎖した」としているが、神戸市内の事務所が新たな拠点になっているとの情報もあり、警察が推移を注視している。

 福井県暴力追放センターの代理人弁護団はこうした他県の例も見ながら、強い決意を持って取り組む方針。弁護団長の北川恒久弁護士や事務局長の井上毅弁護士は「決定に違反していないか監視を続けていく。違反が確認された場合は、間接強制も視野に入れていく」と力を込める。

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