福井刑務所が試行している再犯防止に向けた指導で、生活保護費の使い道を考える高齢受刑者=10月6日、福井市

 「あなたは出所してアパートで1人暮らし。生活保護を7万円受給しています。何に使いますか」

 懲役10年未満の初犯男性が服役する福井刑務所の一室。作業着姿の高齢受刑者らに社会福祉士が問いかけた。5月から独自に試行している「配慮を必要とする高齢者等指導」の一コマだ。食費や光熱費など必要最低限の出費だけで7万円掛かるという設定。半数が酒やたばこにも使うと回答して赤字になった。

 指導を受けるのは、高齢者の中でも歩行器を使っていたり、おむつを1人で替えられなかったりと、就労して自立した生活を送るのが特に難しい受刑者たち。出所後の生活の厳しさを伝え、どう暮らしていくのか真剣に考えさせる狙いだ。

 希望すれば、生活保護の受給や福祉施設への入所といった手続きを服役中に進めていく。福井刑務所は、県内市町の福祉担当者や福祉施設職員を対象に見学会を計画しており、谷口晃康所長は「受刑者はいずれ地域に戻っていく。円滑に福祉の支援につなげるには地域の理解が欠かせない」と話す。

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