星空を観測する橋本さん=19日夜、大野市の六呂師高原

 大野市の天文愛好家、橋本恒夫さんが全国組織の民間団体の調査に加わり10年以上にわたって市内で星空を観測、情報を発信している。橋本さんは「特に六呂師高原は星がよく見える全国屈指の場所。身近に、こんなぜいたくな所がある」と誇らしげだ。

 橋本さんは専業農家として市特産のサトイモなどを栽培する傍ら、同市の六呂師高原や和泉地区、大矢戸などで星の観測を続けている。
 大野市は2004、05年夏、環境省の「全国星空継続観察」で夜空の暗さを示す数値が最も高く“星空日本一”に輝いた。数値はそれぞれ23・5等級(大矢戸)と23・9等級(六呂師高原)。21等級で天の川が見えるレベルとされ、同省の担当者は「大野の観測地点はまち明かりが入らず、大気中の浮遊物が少ない澄んだ空気と言える」と評する。

 橋本さんは、同省の事業を独自に受け継いだ民間団体「星空公団」の調査に参加。毎年、指定期間に入ると専用の装置で空の暗さを測ったり、星空の写真を撮影したりして事務局にデータを送る。橋本さんら全国の愛好家や研究者が寄せた情報は、団体のホームページ「デジカメ星空診断」で紹介されている。

 今年の調査期間だった今月19日夜には六呂師高原で一眼レフを構えた。明るさは20・5(等級)だった。「陸地でどれだけ暗いかが勝負。六呂師高原は街灯などが近くになく、条件が整っている」と橋本さん。夏や秋の星座、天の川など数え切れないほどの星々が夜空を埋め尽くし、流れ星が大きく、くっきりと流れた。

 同市の県自然保護センターではワークショップの講師を務め、星の魅力を市内外の人に伝えている。今年からは県内の夜空を調査する福井工大などのプロジェクトにも携わっている。「日常で当たり前に見える星空も大切な資源の一つ」と、大野の夜空に関心が高まることを期待している。