光戸勇 県立病院皮膚科 主任医長

 【質問】3年前から右手の親指と小指、右足の親指の爪(つめ)が水虫になりました。薬を服用しましたが効果がなく、医師からはもう治らないといわれました。現在、爪が浮いているような状態で指先も痛み、生活にも不便を強いられています。本当に治らないのでしょうか。治らないなら症状を軽減する方法はないのでしょうか? また水虫はどうしてなるのでしょうか?
(あわら市、83歳男性)

 【回答】爪の水虫について説明します。治るか治らないかを気にされているようですが、治すためには水虫がどのような病気で、どのように治療する方法があるかなど病気について知る必要があります。

 水虫はどうしてなるのでしょうか。水虫は白癬菌(はくせんきん)というカビの病気(真菌感染症)です。足に多いのは、靴をはくことで湿気の多い環境がカビにとって住み心地がよいためです。みんなで足をこすりつける風呂場の足ふきマットや、みんながはくトイレのスリッパなどで家族や他の人に感染します。感染を防ぐためには、水虫の人は治療する必要があります。足ふきマットやトイレのスリッパは時々洗って日光に干してください。

 水虫になって数年経過すると、爪の水虫になる場合があります。治療は足の水虫であれば外用薬がよく効きますが、爪の水虫では外用薬はあまり効果が期待できず、内服薬での治療となります。爪の水虫の内服薬には何種類かあり、内服方法、内服期間にも差があります。1週間内服して3週間休薬するパルス療法は内服期間が3カ月です。毎日内服する薬剤は、半年内服の薬剤と1年くらい内服が必要な薬剤があります。

 内服薬の効果は、外用薬ほどは期待できません。しっかり治療したとして良くなるのは7割くらいです。効果は薬剤により異なります。例えばパルス療法で十分に効果が出ない場合に、毎日内服する薬剤に変更して効果がでてくることもあります。残りの3割くらいの人は完全には治らないことになります。

 治らない人の多くは、相談者のように爪が下床から浮いている状態です。治療の工夫としては爪と下床の間に外用薬の液を使用する方法などがあります。治りが悪い場合の原因として、爪の混濁肥厚(こんだくひこう)や変形が実は水虫によるものではない可能性もあります。外傷や種々の皮膚疾患で、爪の水虫とよく似た爪の混濁変形を生ずることがあります。

 このような場合は、原因に合わせた治療をすることでよくなることもあります。指先に痛みがあるとのことですが、爪の水虫で痛みがでるのは、水虫になることで爪が変形し、変形した爪が周囲の皮膚に食い込み痛みがでるのが普通です。爪を短く切り過ぎて、爪の角に切り残しができ、皮膚に食い込み痛みが出る場合もあります。痛みの原因が何かによって治療も異なってきます。専門医の受診をお勧めします。

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