徘徊者の居場所が分かるGPS発信器(左)と発信器を埋め込んだ靴=8月31日夜、福井市日之出公民館

 福井フェニックスロータリークラブ(RC)は、徘徊(はいかい)中の高齢者の居場所を探索する衛星利用測位システム(GPS)発信器を福井市内の20人に、本年度から2年間無償で貸し出す。発信器は靴に埋め込むなどして、パソコンやスマートフォンで即座に徘徊者の居場所を把握できる仕組み。同RCは「高齢者を介護する家族の負担を少しでも減らせたら」としている。

 同RCの25周年記念事業として企画。市地域包括ケア推進課によると、県内で2016年に認知症による徘徊で行方不明になったのは121人に上り、増加傾向にあるという。GPSで徘徊者の居場所を把握する取り組みは、県内では珍しいという。同RCが同課を通じて希望者を募った。

 GPS発信器は縦3センチ、横4センチ、厚さ1センチほどで、重さ30グラム。インターネットの専用ページにアクセスすると、発信器所持者の居場所を探索、特定し地図データをパソコンやスマホで見ることができる。貸出期間は19年7月まで。発信器の代金や通信料など事業費は約100万円。

 発信器は靴の中敷きのかかと部分の下に埋め込むことを想定。専用靴の購入費や専門店での靴の加工費5千円を補助するほか、靴を持参すれば同RC会員が無償で加工する。

 市日之出公民館で8月31日夜、希望者への貸与式が行われた。市内在住の40代女性は「父が徘徊し、福井から越前市まで歩いたことがある。子ども用のGPS機能付き携帯電話を持たせて位置を把握しているが、家に置いていくこともあるので、靴用のGPSがあればありがたい」と話していた。

 同RCの杉田尊会長(54)は「手探りのスタートだが、効果がしっかり確認できれば市に事業化を働きかけたい」としており、今後利用者から意見を募り検証する。

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