福井県のあわら市議会議員選挙(6月15日投開票)で、福井新聞社が立候補者22人に実施したアンケートでは「議会に求められる改革」について質問した。政策などを市民に「伝える」説明責任の強化、政策立案能力など議員の質の向上、議会運営の透明性向上という意見が目立った。
市会が昨夏実施した市民アンケートでは、活動の認知度は約44%にとどまった。福井新聞のアンケートでは、こうした「見えない議会」「見えない議員」の解消へ「どんな議論を行い、どんな結論に至ったのか。プロセスを市民と共有することで、議会の役割と価値がより理解される」「見える化で、市民が自分のまちの未来にかかわれるようにしたい」と記している。
また「政策づくりが十分機能しているとは思わない」として、議員の資質向上のため「県内大学や民間事業者との連携による専門性の向上」「議員提案の条例制定などの勉強会(開催)」「市を立て直す気概を持つ」などがあった。
見える化実現のためには「市民との対話や協力促進」「多様な手段での広報広聴」と回答し、「市会での質問回数や市民との意見交換会開催回数を議員ごとに公表するなどの情報発信」もあった。
議員定数(16人)の削減・見直しを求める声も少なくなかった。市会は昨年、2人減の14とする条例改正案を議員発議で提出し、議長を除く15人による採決の結果、賛成7人、反対8人で否決した。削減を求める声の中には「身を切る改革で市民の信を得たい」「市民の声が届きにくいかもしれないが、議員の努力あるのみ」などがあった。
あわら市議選候補者アンケート「議会に求められる改革は」
関山耕人(34)無新=二面
「議員が何をしているのかわからない」。そんな声にしっかりと応え、市民に分かりやすく伝えることを大切にしたい。そして、しがらみにとらわれず、一人一人が自分の考えで動く議会を目指す。あわらのことを本気で思い、行動する仲間が集まる議会に変えていきたい
木下勇二(73)無現①=山室
あわら市会に求められる改革は、市民の信頼と関心を高める「開かれた議会」への転換。議員の積極的な発言や議論の可視化により政策決定の質が高まる。委員会中継や発言・採決内容の公開、市民との対話集会やオンライン活用など、双方の情報発信と参加の仕組みづくりが重要
青柳篤始(49)無現①=花乃杜1
議会が何をしているのか、市民にほとんど伝わっていない現状があると感じている。この「見えない議会」「見えない議員」という状況こそ、改革すべき最大の課題。市民の意見を反映するためには、議員一人一人が伝える責任をもっと自覚すべきだ。どんな議論を行い、どのような結論に至ったのか。そのプロセスを市民と共有することで、議会の役割と価値がより理解されるようになるはず。今後は、議会活動の“見える化”を進め、開かれた議会・説明責任を果たす議員の姿勢が必要だと考える
野沢裕希(49)無新=山十楽
「検討します」で終わらせない、動く議会へ。あわら市会では、行政からの返答が「検討します」で終わることが多く、議員の発信も「質問しました」「視察しました」で止まっている。その先の「何が変わったのか」が、市民に見えていない。だから私は、こう変えたい。
・検討→改善→報告まで、責任ある行動を
・視察や質問は、政策につなげて報告
・発信ではなく、成果を市民と共有
・議会が市民の視点で行政を正す力を取り戻す。届けるだけでなく、動かす議会が必要
北島登(55)無現⑥=大溝2
議員一人一人の資質向上がなされれば、おのずと議会は改革される。学習し、能力を向上させ、公聴会を開き市民の意見を受け入れる。議員提案の条例制定などの勉強会。数多くの会議を開くことが大切。例えば、会期を延ばすとか、通年議会
堀田あけみ(72)無現②=春宮2
①主権者の参画 主権者である住民の意見を政策に反映できるよう、意見を集める仕組みの構築と実践が必要。
②政策力の強化 新しい技術も活用しながら、政策条例の制定や提言など、議会としての政策形成力を強化していく
中垣内えり香(45)参新=熊坂
市民の利益となる正しい情報を市民の皆さまと共有し、開かれた議会、市民と共に前進する議会への改革。市民が市政に興味を持ち、共に「あわら市の未来を築く」と思ってもらえる事がとても重要
吉田太一(69)無現④=大溝2
透明性と説明責任の強化が必要で、議員の質の向上と専門性の確保、議会の意思決定の質を向上させることが重要。また市民の声をしっかりと反映し、市民の利益や意見を重視し、市民との対話や協力を促進することも重要
八木秀雄(76)無現⑤=舟津
議会運営の透明性を高め、市民参加を促進し、政策立案能力を強化することが求められる
室谷陽一郎(72)無現②=花乃杜4
市長と議員による「二元代表制」の中で、私の目指す議員の仕事、議会の重要な役割は次の四つ。
①予算の審議・承認(意思決定の役割)
②行政の監視と評価(行政チェックの役割)
③市政の情報を分りやすく伝え、市民の声を受け止める(広報・意見収集)
④市民の声をもとに政策を立案する(政策づくり)。あわら市会では、④の「政策づくり」が十分機能しているとは思わない。私は、まず政策や予算を市民に分りやすく伝えることから始め、市民の声を議会に反映し、議員と真摯(しんし)な議論を重ねていく活動から始める。また、行財政改革から、他市との比較から、市民の皆さまからのご意見から、人口減少などを見据えた判断から、議員定数の削減に取り組み、身を切る改革を行い市民の信を得たい
三上寛了(44)無現①=河間
市民の「あったらいいな」を実現させる場所として、主体的にまちの将来を考え、ビジョンや政策を提言し、活発に議論を行う創造的な議会となること。そのために、多様な手段で広報公聴を行い、市民の意見を広く吸い上げ、議論の内容を広く周知できるような仕組みを整えること。そして、議員定数の削減等、身を切ることをいとわずに議員の質を高め、覚悟を持って市の未来を考えることができる集団へと変革することが必要
笹原幸信(77)無現⑤=上番
議員定数の削減。区長会からは2021年に定数18人から14人にするための陳情書が議会に提出されたが、協議の結果16人で終わってしまった。今回、再度2人減の陳情が提出されたが否決されてしまった。私は、賛成討論においてやる気があればできると訴えたが1票差で否決された。市民の願いの最大の案件は定数削減であり、この事が最大の議会改革だと思う
南良一(64)無新=花乃杜4
新人としては、入ってみないと現実がわからないが、今のあわら市の現状を鑑みると、①あわら市を立て直す気概をもつこと②あわらの将来に向けたビジョン、課題、成果の報告、さらなる課題の提示と取り組む方向などを、市民にしっかり伝えていくこと③職業議員はいらない。すなわち、議員が勉強することだと思う
山川知一郎(81)共現⑤=後山
議会事務局員を増やし、事務局の調査能力を向上させること。政務活動費を支給し、議員の能力も向上させる
島田俊哉(64)無現①=二面3
今日求められている議会改革の本質は、議会の「政策立案能力の向上」。単なる執行機関の政策提案に追従するだけの議会では、人口減少・少子高齢化により多様化、複雑化、深刻化する市の課題解決が不可欠な状況下では、市民の代表機関として議会の責任は果たせていない。議員の質を高めると同時に、議会力の車の両輪である議会事務局の充実を図り、市民の声に耳を澄まし課題解決のための制度や事業の提言、提案ができる議会が求められていると考える。また、議会の専門性の向上については、執行機関においても取り組んでいる県内大学や専門民間事業者との包括的パートナーシップ協定という形を活用する方法もあると考える。単なる、議員定数削減競争や議会活動の見える化充実もいいが、市民から必要とされる、見られることにふさわしい活動ができる、本来の市民の代表機関として、政策立案能力を備えるべきだと考える
見澤勇三(70)公新=二面
芦原温泉駅前のにぎわいや、もろもろの課題に向け、有識者、大学、商工会、あわら市、議会などの組織を設置し、スピード感を持って解消していく
家上雅之(59)無新=滝
県内外、うまくいっている市や町を参考にし、スピード感をもって結果を出す。議員定数の削減は必要
卯目ひろみ(76)無現⑥=二面
①定数削減16名→14名 合併以来約6千人余りの人口が減っている現実がある。議員数が減れば、それだけ市民の声が届きにくいかも知れないが、議員も努力あるのみではないか
②子ども議会のすすめ 現在は中学生が対象だが、高校生まで広げるといいと考える。18歳で投票権があり、より近い目で社会に関心を持つ機会を養える
③議会と市民との意見交換を多くする 気軽に参加しやすくして、幅広い人たちとの交流を図る
白崎雅義(65)無新=大溝2
「市議会の見える化」、つまり、市民の皆さんが、市議会、そして各議員が、それぞれ、どういう活動をしているのか、簡単にわかるような仕組みづくり(たとえば、一年間の議会での質問回数や市民との意見交換会の実施回数を各議員ごとに公表するなど)、情報発信を行い、市民の皆さんが議会活動に関心を持っていただくように努めることが必要
中嶋瑞希(32)無新=市姫2
あわら市会の問題は大きく3つに分けられる。
第1に、「構成の偏り」。議員定数16名のうち女性は2名(12・5%)のみで、平均年齢は当選時点で65・4歳。2025年現在では平均約69歳に達している。世代や性別の多様性が不足しており、若者や子育て世代の視点が十分に反映されにくい現状。
第2に、「情報発信の不足」。24年の市の市民アンケートによれば、「議会の活動をあまり知らない」「全く知らない」と答えた人が半数を超え、「議員が何をしているのか見えない」という声も多く寄せられた。市民と議会の間に距離がある状況が、関心や信頼の低下につながっているのではないかと考えている。
第3に、「若者の政治参加の低さ」。若年層の投票率は低く、政治や議会が「自分ごと」として捉えられていないまま。これは若者の関心の薄さもあると思うが、関われる仕組みが用意されていないことが大きな原因ではないか。若者にとって声を届けやすい「身近な議員」がいない状況なのかなと思う。
これらの課題に対して、今、求められているのは、議会の“見える化”と、“世代を超えたつながりの再構築”だと思う。私はこれまで、行政文書をポッドキャストでわかりやすく配信したり、統計データをインフォグラフィック化して市民に伝えたりするなど、政治の見える化に取り組んできた。議会での議論や意思決定の過程をもっと開き、市民が自分のまちの未来に関われるようにしたいと考えている。また、私は政党や団体に属さない無所属の候補だ。しがらみなく、市民の声にまっすぐ向き合い、必要な改革を進めることができる。32歳の若者世代の一人として、そして地域と未来をつなぐ“架け橋”として、開かれた、信頼される議会づくりに挑戦する
髙嶋英巳子(53)無新=横垣
議員の多様性と定数の見直し。女性や若年層が議員になりやすい環境整備「市民提案制度」を活用。出前会議や高校生との意見交換会など住民との接点を増やす。定数を見直して効率の良い議会を作る
北浦博憲(73)無現①=北潟
まずは議員定数の削減(16人→14人)。あわら市会では、その時々の人口、財政状況、議会活動に必要な適正な人数などを検討しながら2021年に2人、09年に4人などの削減を行いながら民意の反映に取り組み、二元代表制の一翼を担い、あわら市の発展に尽くしてきた。県内の類似団体の状況をみると、大野市、小浜市では、一昨年実施した議員選挙で、定数をそれぞれ2人ないし1人削減し、勝山市は、一昨年8月に実施した議員選挙から、定員を16人から14人に削減した。人口減少が進む中、議会議員の定数は減らしていく必然性があると思うし、そうしなければ市民の理解も得られない。定数が削減されない場合、2人の議員、4年間で約4480万円の歳費が必要になる






