北朝鮮籍とみられる船に放水する海上保安庁の巡視船=7月下旬(同庁提供)

 海上保安庁は8月31日、福井県坂井市の三国港から北北西に約320キロ沖合の日本海にある台地状の浅海「大和堆」周辺で違法操業していた北朝鮮漁船を取り締まり、約820隻の船を退去させたと発表した。様子を撮影した写真も公開した。

 大和堆は好漁場として知られ、現場は日本の排他的経済水域(EEZ)内。海域に向かった三国港機船底曳網漁業協同組合の漁船が、トラブルを避けるため漁に入れない被害が出ていた。福井県底曳網漁業協会によると、こうした違法操業などの影響で福井県の5~8月の大和堆での甘エビの水揚げ高は前年度比76・3%に落ち込んだ。

 海保は7月上旬以降、大型巡視船などを順次派遣し、延べ約820隻に音声や汽笛でEEZ外へ退去するよう警告し、従わない場合は放水を実施してきた。8月中旬以降、北朝鮮漁船はほとんど確認されていない。

 この海域では、乗組員が銃を所持し、北朝鮮船籍とみられる船舶1隻が7月、水産庁の漁業取締船を数十分間追尾した。政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮側に抗議している。

 三国港機船底曳網漁業協同組合の浜出征勝組合長(73)は「国はやっと対応してくれたが、今後も安全に漁ができるように、さらに厳重で継続的な対応をしてほしい」と話した。

 海保の担当者は「今後も水産庁と連携し適切に取り締まっていく」と話している。

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