もんじゅ廃炉に伴う地域振興策などについて林文科相(右)に要請する西川福井県知事(中央)と渕上敦賀市長=8月9日、文科省

 もんじゅを巡る地域振興の駆け引きは、これまで何度も繰り広げられてきた。エネルギー研究開発拠点化計画への国の関与は、もんじゅの改造工事入りを西川知事が判断する条件の一つとなったほか、北陸新幹線県内延伸を求めるカードになったこともある。

 今回、地元が国に突き付けた要請は14項目。次世代を見据えたエネルギー研究拠点や産業化の育成を目指す項目の一方で、鉄道や道路インフラの整備も目立つ。特に福井~滋賀県境周辺の道路整備に至っては▽敦賀市~高島市間のトンネル▽敦賀市~長浜市間の国道8号バイパス▽美浜町~高島市間の道路▽南越前町~長浜市間の国道365号バイパス▽南越前町~敦賀市間の国道8号バイパス▽敦賀半島東岸部の西浦道路―の6カ所を“フルセット”で詰め込んだ。

 ただ、こうした要請のやり方に、地元関係者の中に「結局、欲しいのは道路や新幹線」「もんじゅカードを使った過去と同じ道をたどっている」といった冷めた見方が少なくないのも事実だ。

 北條正・敦賀市議は、ハード面の要求が目立ち、実現性にも疑問があるとし「国にすれば、福井は結局何がしてほしいのか、となるだろう」と指摘。「アドバルーンを上げるのではなく、地に足を付けたしたたかな交渉が必要だ」と注文した。


 概算要求 各省庁が翌年度に実施したい政策の経費や人件費などの見積額を財務省に提出、予算を要求すること。例年8月末をめどに提出する。要求を受けた財務省は各省庁の内容を精査。各省庁と折衝して要求額を絞り込み、12月下旬に翌年度予算の政府案が決まる。

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