山の斜面に投げ捨てられたテレビなど=7月、福井県大野市巣原の姥ケ岳

 別の地権者男性(64)は今春、約25平方メートルに育てていたワサビを根こそぎ取られた。青々と葉を茂らせているはずの畑が一面土色だったといい「親の代から引き継ぎ丹精込めて育てたもの。大きな株に育てるには何十年もかかるし、私の年齢じゃもう無理や」と肩を落とす。

 昨年度、県が県民から一般廃棄物などの投棄情報を受け対応した件数は44件。産業廃棄物の不法投棄は4件で、いずれも年々減少傾向にあるという。だが、1件1件の規模は目立たなくても、土地の所有者らはその都度、対応を迫られる。

 「(平家平が)観光地として有名になるにつれて客が増え、捨てられるごみも多くなった印象がある。観光客が増えるのは、にぎやかで良いことだけど…。PRと同時にごみ対策もしてもらえたら」。地権者たちは複雑な思いを抱いている。

関連記事