「中国、韓国との和解に取り組みたい」と話す松尾文夫氏=23日、福井新聞社

 2017年度の日本記者クラブ賞を受賞した国際ジャーナリスト松尾文夫氏(84)が23日、福井新聞社(福井市)を訪れた。日米首脳が被爆地広島とハワイ真珠湾を相互訪問する「献花外交」を10年以上訴え続け、昨年実現。「中国と韓国との真の和解に、残りの人生をささげたい」と語り、従軍慰安婦問題など複雑な問題が絡む韓国での取材に意欲を示した。

 松尾氏は共同通信社ワシントン支局長や論説委員などを務めた。疎開先の福井市では空襲に遭い「戦争で米国に興味を持った。福井は日米の歴史和解に取り組んできた人生の出発点」と語った。

 元米兵との交流によって思い至ったという献花外交が実現したことには「オバマ大統領が昨年5月に広島訪問した時点で、安倍晋三首相の真珠湾訪問の確約はなかった」とした上で「当時、大統領候補のトランプ氏がツイッターで『オバマ大統領は広島の演説で真珠湾の犠牲について触れなかった』と投稿し、その後大統領選に勝ったことで、日本政府は首相の真珠湾訪問に動いていった」との見方を示した。

 真珠湾で「和解の力」を強調した安倍首相の演説には「中国と韓国との和解には一言も触れなかった。和解の精神を、アジア全体に広げるというメッセージを出してほしかった」と指摘。中国に関しては、旧日本軍による犠牲が出た重慶と南京で献花すべきとの従来の考えを主張した。

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