1月の能登半島地震発生後、ふるさと納税制度で復旧を後押しする動きが活発になった。現場対応に追われる被災自治体の事務負担を軽減するため、他の自治体が代わりに寄付を受け付ける「代理寄付」も広がった。災害支援の寄付のため返礼品はないが、2023年度は他の災害を含め受け付け業務を代行した全国175自治体に計26億円以上が寄せられた。
地震による半壊以上の住家が6200軒(全体の59%)に上る石川県輪島市では、地震発生の1月1日から職員が対応に追われた。ふるさと納税の担当職員は2人で、1人は自宅が全壊し集落が孤立、もう1人も避難所運営の手が離せず、1月9日以降にようやく登庁できたという。
一方、地震直後から寄付の申し込みが急増した。確定申告をしなくても寄付分の税控除が受けられる「ワンストップ特例制度」の申請を締め切る1月10日が迫っていたが、郵便も集配が困難で問い合わせが殺到。関係者は「とても市職員で対応できる状況ではなかった」と説明する。
輪島市への代理寄付は、1月の地震後に53自治体から約5億6840万円(24年10月末時点)、9月に発生した豪雨で福井県勝山市など50自治体から約6800万円(同)が寄せられた。寄付の際に添えられたメッセージは3千~4千件あり、輪島市へのエールや思い出がつづられ、「私たちもがんばらないと」と職員の力になったという。
同市の永井一成産業部長は、地震発生翌日の1月2日には茨城県境町から代理寄付の申し出があったと振り返り、「ふるさと納税や代理寄付の制度がなければ全国からこれだけ多くの支援をいただくことはできなかった。心から感謝したい」と話す。
総務省の「ふるさと納税に関する現況調査」によると、福井県内で23年度に代理寄付を担ったのは県と勝山市、越前市、小浜市、あわら市で計約5700万円。勝山市の約4810万円(2149件)は全国9位の多さ。石川県珠洲市を対象に1月6日に受け付けを始め、寄付者への受領書発行や送付、ワンストップ特例の申請受け付けの事務を代行した。寄付件数のうち95%は福井県外から集まったという。9月の豪雨でも業務を代行し、12月末まで受け付けている。
福井県の杉本達治知事は24年11月に東京で開かれたシンポジウムで「豪雨では最初の5日間で1千万円を超え(代理寄付が)定着してきている」と語った。ふるさと納税制度について「返礼品競争と言われたりもしているが、できるだけ本来の趣旨に戻し、税の代わりにその地域で使えることにしていくことも大切。全国の地域活性化が進むことを願っている」と述べた。






