前回に続き、福島県出身の朝日新聞記者・影山遼さんと、ゆるパブリックメンバーの私、しおりんこと江戸しおりが県外出身者から見た「福井のここが不思議」をテーマに対談した内容をお伝えします。
●福井人の運転、想像を絶する(これが一番新しい発見&盛り上がった話です)
しおりん(以下:し)「福井の人って、ウインカー出すの遅すぎじゃないですか?(笑)」
影山(以下:影)「それはありますね。僕も運転している時に、うわって思うこと、よくあります。」
し「もしかしたら、自己主張しない福井人ならではかも!!」
影「だとしたら一貫しすぎ(笑)
でも、ウインカーだけじゃなくて、クラクションも鳴らさないんですよ!」
し「え!嘘!?
あ、でも、確かに福井でクラクションの音を聞いたことがない気が…」
この対談は福井市内のかなり車通りの多い場所の近くで行ったのですが、2時間ほどいて、1度もクラクションの音を聞かなかったです。
都会だと、意味もないのにずっと鳴らしている人とか、いますよね。
言われないと気づかないけど、これは結構すごいかも。
影「前に大きめの交差点で車が動かなくなっちゃって、1分くらいモタモタしてたんですけど、それでもクラクション鳴らされなかったですよ。」
し「それすごいですね。
でも、福井の人って本当にゆったりとしていて余裕がある感じで、そういうところが本当にいいですよね。」
●とはいえ福井県庁主張しすぎ説
し「福井県民はとっても謙虚で自己主張しないイメージがありますが、福井県庁についてはどう思います?」
影「主張しすぎ!」
し「ですよね。」
福井県の方なら、福井県庁がどんな場所に建っているか知っている方が多いと思いますが、福井県庁は福井城の本丸跡に建っているんです。
おもてから見ると、立派な石垣の中に県庁がどーんと建っていて、よそ者から見ると、とっても不思議な光景になっています。
全国的に見て、城跡に県庁が建っていることはそこまで珍しくない(佐賀県庁、福島県庁、群馬県庁、山梨県庁、静岡県庁、岡山県庁、島根県庁、山口県庁、高知県庁など)ようです。
が、ここまで立派な石垣、お堀が残っているところは数少ないので、インパクトはありますよね。
現在、県庁周辺の史跡などは「県都デザイン戦略」として整備が進められています。
そして、その中の一つとして、県庁西側の山里口御門は、約8億5千万円をかけた復元工事が行われているとか。
福井県ホームページには「これまで整備してきた御廊下橋、天守台跡の連続性と一体感を高めるために、山里口御門の復元整備を進めています。」と書いてあるけど、「一体感って!」ってツッコミたい。
石垣と、県庁の建物、そもそも一体感ゼロですからね(笑)
影「養浩館庭園とか、せっかく歴史ある建物が周りにたくさんあるんだから、福井城跡とともに、歴史を感じられる観光スポットとして定着していってほしいし、もっとアピールしていけるといいかもしれないですね。」
し「県庁って、地元の人にとってもあまりなじみのない場所だし、何をしている場所なのかはよくわからない。
けど、せっかくここまでインパクトがあるんだから、うまく利用して、もっと福井人がなじみやすい、愛着を持てる場所になったらいいなって思うんです。
例えば県庁をお城の形にしちゃうとかね(笑)」
影「それはそれで批判もありそうだけど(笑)」
福井県に旅行に行くとき、福井市内を回ろうとはあまり思われない気がしますが、県庁を中心に様々な整備が行われて、福井市内も人気観光スポットに成長していけたらいいですよね。
●福井の方言不思議がいっぱい説
全国どこに行っても話題になる方言のこと!
福井の方言(特に嶺北)は柔らかくて、でもちょっと関西弁っぽいところもあって大好き。
ですが、ここにも私たちよそ者からしたら不思議なことがたくさんあるんです。
し「私この前びっくりしたんですけど、福井の人とお話したら、『カレーの煮付け』って言われて。
いやいや、カレーってもともと煮てあるじゃん!みたいな。
そしたら、カレーじゃなくて、魚のカレイ(鰈)のことだったんですよね。
あれどうやって区別してるんですかね?
影山さんは気になりません?」
影「福井だけじゃなくて、全国にそういう地域は結構あるみたいなんだけど、あれって、アクセントの(高低の)ルールがないからのようですよ。」
し「アクセントのルールがない!?」
影「僕も前に気になって聞いたことがあるんですけど、カレーとカレイ、柿と牡蠣、橋と箸と端… どれも意味で区別せずに発音をしていて、話の流れから判断しているとか。」
し「不便すぎないですかそれ?」
影「でも福井人はそうみたいですよ。」
し「不思議すぎますね〜。」
し「あと、おんちゃんって言うじゃないですか。
あれって女性のことを表す言葉はあるんですか?」
影「…ないかも!」
し「おばちゃん、おばあちゃんは…」
影「おばちゃん、ばあちゃん…かな。」
以前、近所の男性のことを「おじいちゃん」と表現したら、「おじいちゃん」というと、なんだかすごく弱々しいイメージがあるから、福井では「おんちゃん」って言うんだよと教えてもらったことがあります。
全然その感覚わかんない!
私は千葉県のとっても方言がきつい田舎の出身ですが、そう言った使い分けはなく、みんな「おじさん」「おじいちゃん」「じいちゃん」と呼びます。(自分のおじいちゃんなのか、一般的な表現のおじいちゃんなのかで発音が違うだけ)
「おんちゃん」に対応する言葉、あるよ!ってご意見、お待ちしています。
まだまだ福井には気になることがいっぱい。
それもこれも、私たちよそ者が、福井が大好きだからなんですよね。
優しくて温かい人がたくさんいる、魅力的なスポットがたくさんある、美味しい食べ物がたくさんある。
そんな福井で、これからも福井のいいところ、不思議なところを発見していきたいなと思います。(ゆるパブメンバー、しおりんこと江戸しおり)
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福井の若者や学生、公務員、起業家、経営者、研究者などがゆるくつながり活動する一般社団法人ゆるパブリック(略称:ゆるパブ、2015年福井に設立)が、さまざまな視点から福井のまちの「パブリック」に迫ります。2016年3月まで鯖江市に「ゆるい移住」していた江戸しおりさんを中心に執筆中。