無蓋貨車2両を連結し煙を上げる1形1号

同形機をモデルにコンピュータで復元した姿

■営業運転で活躍できず・・・

このコッペルの蒸気機関車、開業し電車が走り始めたのと同時にお払い箱になるはずでした。が、2月3日から新福井-市荒川の試運転を開始してみると、旅客・貨物共に予想を超える反響があり、開業時に人や荷物を運びきれないことが想定されました。

そこで、越前電気鉄道は開業1週間前の1914(大正3)年3月5日付で急遽営業運転にも使用したい!と、電気動力に加えて蒸気動力併用を申請しました。申請書には「客車或ハ貨車ヲ牽引セシムル」とあり、貨車ばかりではなく客車を引いて走った可能性もあるわけです。

写真には、開業間もない勝山駅の2番線ホームに開業時に新製された無蓋貨車ト1形の貨車2両をつないだ姿が写し出されています。輸送力増強の目的で活躍が期待されたのですが、小さな機関車で力がなくあまり貢献できなかったようです。

以前、沿線の古老から“発坂(勝山市)の急勾配を登っているときに、煙突から火柱を吹いて、それ以来動かなくなってしまった・・・”という話をお聞きしました。煙突から火柱・・・という情景から察すると、どうやら坂の途中で大空転し、火室に何らかの重大な事故が起こったようで、1919(大正8)年1月27日付で使用を廃止されてしまいました。

大正末期頃までは、東古市(現・えちぜん鉄道永平寺口駅)の構内の車庫に格納されていたらしいのですが、それ以降の消息は全く不明です・・・。もし、タイムマシーンがあったら、ワープしてこの蒸機列車に乗りたいなぁ!