新田 耕治 県済生会病院 眼科医長

 【質問】 右目の上まぶたの痙攣(けいれん)に悩んでいます。職業は事務系で、パソコンをほぼ一日中見つめるような作業ですが、これまではこのような症状はなく、今夏から頻繁におこるようになりました。痙攣は毎日ではありませんが、頻繁で仕事に集中できないときもあり困っています。このまま放置していいのか、また何らかの治療法、予防法があれば教えてください。視力は左右ともに0・7、普段は裸眼です。 (坂井市、30歳女性)

 【回答】 まぶたの痙攣には3つのタイプがあります。
 (1)突然、まぶたの一部がぴくぴくと痙攣しますが、目は普通にあけることができ、数分間で治まるが何度か繰り返し、数週間以内に改善。
 (2)両方のまぶたが痙攣するタイプは眼瞼(がんけん)痙攣といい、常に目がショボショボし、瞬きが多く、室内でもまぶしくサングラスを使用しないと生活できない場合もあります。徐々に症状が進行し、自分で目を開けようと思っても開けにくく、時には指でまぶたを持ちあげるようになります。

 自分の意思とは関係なく目が閉じた状態になり、視界が狭くなるばかりか、他人とかかわることもストレスになります。異常な皺(しわ)が出て美容上も気になります。軽い瞬きを指示しても強い瞬きしかできない。速い瞬きをさせてもできない。強い瞬きをさせると目を開ける時に痙攣する。このような場合は眼瞼痙攣の可能性があります。

 (3)片方のまぶたから口や頰(ほほ)の周りも痙攣するタイプは片側顔面痙攣といい、顔面神経の走行経路の途中で血管や腫瘍(しゅよう)などに圧迫されて発症します。

 (2)や(3)のタイプは、最近では、ボツリヌス毒素をまぶたの周りに注射することで、痙攣を一時的に緩和することができるようになりました。効果は、注射後1週間程で現れ、1カ月で最大となり、徐々に効果が弱まりながら3~4カ月間持続します。ボツリヌス毒素で障害を受けた神経は3~4カ月すると再び枝を延ばして筋肉に到達するからです。

 症状が再発する場合は、再度注射を繰り返します。(2)や(3)のタイプで気になっておられたら、眼科専門医の受診をお勧めします。ただし、毒素を使用するため、一定の講習と実技をマスターした登録医師だけに使用が許可されています。病院によりボツリヌス毒素の治療を扱っていない施設もありますので、受診される前に病院へ問い合わせてください。

 さて、ご質問の方の場合は(1)のタイプと思われます。テレビ、インターネット、ゲーム、読書など目を長時間酷使することやドライアイ、睡眠不足などが原因と考えられます。またコーヒーやアルコール摂取が誘因となる場合もあります。特に疲労時によく起こりますが、たいていは1~2週間ほどで治まりますので十分な睡眠・休養をとり、心と体をリラックスするようにしてください。もし、痙攣がずっと継続する場合は、他の病気の可能性がありますので眼科で相談してください。

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