彌山 峰史福井大医学部整形外科講師

 【質問】6~7年前から足が頻繁につります。足を伸ばすと太ももの内側が張りカチカチに。最近は正座をすれば足裏、あぐらをかけば足首、指、ふくらはぎと足のいたるところがつります。足を床につけると直りますが、よろけて危険を感じます。どうすれば、つるのを防げるのか、予防法や対処法があれば教えてください。
(福井市、73歳女性)

 【回答】足がつることを“こむら返り”と言うこともありますが、これは筋肉組織に出現する痛みを伴った急激なけいれんのことで、ふくらはぎ(こむら)に生じることが多いため、このように俗称されています。

 このような「足がつる」という現象の大部分は健康な人に生じる一過性のものですが、さまざまな病気によって起きることもあります。

 整形外科の疾患であれば、腰椎椎間板(ついかんばん)ヘルニアや腰部脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)症など、腰椎(腰の骨)の神経が圧迫されることによって足がつる症状がおきることがあります。

 また、変形性ひざ関節症(ひざの変形)によって、太ももやふくらはぎの筋肉がつりやすくなることがあります。その他、肝硬変、糖尿病、人工透析、下肢静脈瘤(りゅう)などの内科的疾患が原疾患となることが知られています。また、脱水(水分不足)、筋肉疲労、ビタミンやカルシウム不足なども足がつりやすくなる原因の一つといわれています。

 ご相談にある足がつったときの対処法と予防法ですが、痛みの発作が生じたときには筋肉は硬く収縮していますので、ひざの屈伸運動、足関節の屈曲運動、足趾の伸展運動によって筋肉を伸ばすことによって発作を止めることができるとされています。

 発作を予防する方法の一つには、運動前後のストレッチ体操が挙げられます。運動開始前の十分な準備(ウォーミング・アップ)、運動終了時の局所冷却(クーリング・ダウン)を含め、筋肉の柔軟性を高め、関節の可動性を高めることはさまざまな運動器疾患の予防になります。また、炎天下・高温環境下の作業で、著しい発汗を伴った場合は水分や塩分の補給に努めてください。

 それでもこむら返りが頻回に生じる場合には、対症療法として薬物療法や理学療法などがあります。薬剤療法としては中枢性筋弛緩剤、ビタミン製剤、湿布のほか、漢方薬などが用いられています。理学療法としては温熱療法やマッサージなどが行われます。

 いずれにせよ、頻繁に「足のつり」を繰り返す場合、なんらかの疾患が潜んでいる可能性もありますので、医療機関の受診をお勧めいたします。

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