「レジ袋、『いります』?『いりません』?」
スーパーで買い物をした時、「レジ袋、ください」「レジ袋、いりません」、どちらを言いますか?
私の答えはズバリ、「レジ袋、いりません!」です。
だってレジ袋ってどんどん家に溜まっていっちゃうし、もったいないじゃん。
ていうかビニール袋を持って歩くのがダサい。
と思っていて、いつもマイバッグ持参なんですが、先日、福井でちょっと驚くことがありました。
あるスーパーで買い物をしてレジに行ったら、『レジ袋は2円です』という表示がありました。
2円!?もったいない!!
そこで、いつものように「袋いりません。」と言った私に、レジのお姉さんは一瞬「え?」みたいな顔をして…。
そのまま私のお会計は終了しました。
でもお姉さん、私が袋を断ってから特にレジの操作しなかったよなあ、
ちゃんと2円引かれたかなあ、
絶対忘れてるよね…。
と、すっごく気になってレシートを見たんですが、どこにも「レジ袋 2円(引き)」の文字がない!
そこで気づいたんです。
このスーパーは、レジ袋がないことが前提なんだって。
都会に生活して早7年。
レジ袋が有料のお店はほとんど見たことがなく、「レジ袋いりません」と言うと数円引きになったり、ポイントが加算されるというシステムに慣れていたので、袋が必要ならお金を払うという逆の発想にびっくりしました。
確かに、福井より田舎〜な私の地元のスーパーも、レジ袋は有料だったっけ。
そういえば、福井のスーパーの多くは、入り口近くにダンボールが置いてあって、ダンボールに買ったものを詰めて持ち帰る人も多いですよね。
これって車で来る人が多いからできることなんじゃないかな。
レジ袋も、都会の人は会社帰りに手ぶらで来て(エコバッグとかは持たず)買い物するケースが多いから、袋をつけることが前提になっているお店が多いとか、そういうことなんでしょうか。
そして、さらに気になることが。
エコバッグを推奨している割には、魚や肉、豆腐に小さいビニール袋をやたらとつけてきません? 福井も都会もどちらとも。
理由はいろいろあるみたいですが、エコバッグが汚れるのを防ぐためとか、食中毒を防ぐために汁がもれないようにとか。
確かにわかるんですが、大きな袋を減らしてちっちゃな袋の使用量を増やしていては、いつまでたっても本当のエコにはならないと思うんだけど…。
私は1年ほどフランスに住んでいたのですが、フランスでは、スーパーには必ずビニール製(レジャーシートみたいな素材)の大きなエコバックが売っているんです。
マイバッグ持参でなければ、そのやたらと大きな袋を買わないといけないので、ほとんどの人がマイバッグを持参するか、そのお店の大きな袋を毎回持ってきています。
スキャンされた商品はベルトコンベアに乗ってすぐに店員さんの前を通り過ぎてしまうので、小さなビニールに入れてもらうこともありません。
日本はサービスが行き届いているのはいいですが、やりすぎるとエコに反することにもなりかねませんよね。
また、アメリカのスタンフォード大学の人気講義「意志力の科学」を書籍化した「スタンフォードの自分を変える教室」という本の中には、「オーガニック」や「脂肪ゼロ」といった魔法の言葉(「エコ」もそうですよね。)が目標の邪魔になってはいないかという問いがあります。
つまり「エコ」って言葉だけが一人歩きをして、考えただけでいいやって気になっちゃったり、袋を断ったからいいことした!って思って、その後でまた小さな袋をもらっていることに全く疑問を持たなかったりすることってなんだか変だよね?ってこと。
これに関して、環境に関わるお仕事をしているゆるパブメンバーも、「サラダ頼んだだけで、高カロリー食品を食べても良い気になっちゃう的な心の動きが、エコ活動にもあるんじゃないかってことだよね。レジ袋を断ることははじめの一歩で重要だけど、本当に大事なことは、それに安心して買いすぎないで、適正な量を買って、食べ残しを出さない、過剰包装はなるべく断る、という姿勢なんじゃないかと思うと言っていました。
ゆるパブでは、廃棄直前の食材や、商品として出せない食品を集めて、100人以上もの人を笑顔にする、無料の「ゆるい食堂」を行っていたり、リユースをテーマにした鯖江市の「サバオク」に協力していたりと、エコっぽい活動も積極的にしているんです。
「エコ」って深く考えたことはなかったけど、「もったいない!」って思う気持ちを一人一人が大切にして、そしてその気持ちに矛盾しない行動をとることで、もっと地球に優しい生活ができるかもしれませんね。(ゆるパブメンバー、しおりんこと江戸しおり)
× × ×
このコラムに対するみなさんのコメントをFacebookで受け付けています。
福井の若者や学生、公務員、起業家、経営者、研究者などがゆるくつながり活動する一般社団法人ゆるパブリック(略称:ゆるパブ、2015年福井に設立)が、さまざまな視点から福井のまちの「パブリック」に迫ります。2016年3月まで鯖江市に「ゆるい移住」していた江戸しおりさんを中心に執筆中。