そこでクラレットとはボルドー地方、メドック地区産の赤ワインのこと。これはボルドーが昔々、アキテーヌ地方と呼ばれていた頃、この領地を相続していたエレオノール妃が1152年に後のイギリス国王アンリ〔英語読みでヘンリー〕2世と再婚した為、1453年に百年戦争でイギリスが負けるまで300年以上イギリスの領地でした。持参金ならぬ持参土地で産出された赤ワインは全てイギリスに出荷されました。

 エレオノールの旦那である英国王ヘンリー2世がこの赤ワインを見て「クラーレ・レッド」(明るい赤)と言ったのが「クラレット」に訛って出来た言葉です。昔は醸造技術が発達していなかったので今のようなワイン・レッドではなくロゼのような色だったのでしょう。赤ワインと白ワインを混ぜていたという話もあります。

 だからシャトー・ムートン・ロートシルトはメドックの第1級格付け。クラレットの中のクラレット。代表格だったのです。でも殺し屋じゃなくて、単に物を知らないソムリエだったら…。知識がないと海に放り込まれるかも…。そんな人いるもんね。

 因みにボンドはムートン・ロートシルトをロッチルドと発音しています。ロートシルトは同家出身地のドイツ語読み。ロスチャイルドは英語読み。ロッチルドはフランス語読みです。ワイン業界ではロートシルトって言ったり、書いたりしてますね。