山田和人福井赤十字病院歯科・歯科口腔外科部長

 【質問】3年ほど前から、口が乾く症状が出始め、1年前からは、乾きはそれほど感じなくなったものの舌がチクチクと刺すような、からいような症状があります。耳鼻咽喉(じびいんこう)科、歯科、内科で診察を受けたところ、うがいや、入れ歯を清潔にするように言われる程度で改善しませんでした。最近では口の中全体がホカホカと痛み、味も苦味が増してきました。何の病気か分からず悩んでいます。どこで診察を受ければよいのかも教えてください。(勝山市、71歳女性)

 【回答】現在治療されている病気、服用されている薬、また実際に口腔(こうくう)内の状態を見ていないため、はっきりしたお答えはできませんが、口腔乾燥症(口が渇く病気)に舌痛症(舌が慢性的にピリピリ痛む病気)、味覚障害(味が分かりにくくなったり異常な味を感じる病気)、といった末梢(まっしょう)神経障害が合併しているようです。

 口腔乾燥症の原因としては、唾液(だえき)をつくる唾液腺自体の機能が低下している場合もあれば、口呼吸、精神的ストレス、糖尿病などの全身疾患が関係することや薬の副作用の場合もあります。舌や口腔内の慢性痛の原因としては感染、褥創(じょくそう)、精神的ストレス、口腔乾燥、貧血など多くのものが挙げられます。味覚障害に関しては口腔乾燥、舌の疾患、精神的ストレス、薬の副作用やある種の微量金属の減少も関係します。このように原因はさまざまで、原因によって治療法が異なってきます。

 まず、唾液の分泌量がどのぐらいあるかを調べる検査や、各種の血液検査などが必要でしょう。口内に、ある種のばい菌が増殖していないかどうかも調べたほうがよいでしょう。

 今回の場合、一つの単純な疾患ではなく、いろいろな症状が複雑に絡まっておきているため、口が渇く、口の中が痛い、変な味がするといった個々の症状に対する原因を確認して、その原因を根本から一つずつ治療することが必要です。

 ただ、一つの症状が改善することで、そのほかの症状も軽快することもよくあります。また唾液腺の機能が低下して唾液が出にくくなっている場合でも、最近では唾液を出すための良い薬がありますので、あまり心配しすぎないで、時間をかけて治療していく必要があります。

 一度、かかりつけ歯科医に現在の状態を診ていただき、必要ならば病院の歯科口腔外科に紹介いただいて、ご相談されることをお勧めします。このとき、現在治療されている病気や服用されている薬については、内科などのかかりつけ医に問い合わせの必要があるかもしれません。こちらの先生にも、あらかじめ病状を書いていただいているとスムーズに診療が進みます。

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