谷澤昭彦福井大医学部小児科准教授

 【質問】1歳4カ月の孫娘は、体格も元気もよく、たくさん食べますが、便秘がひどく、ほとんど自力で排便ができません。ミルクだけのころは下痢をすることもありましたが、8カ月ごろ離乳食を始めたころから便秘になりました。週1回病院でかん腸をしてもらい排便しますが、その2、3日後には顔が真っ赤になるほどいきんでも、まれに硬い便が出る程度で出血します。かん腸のほかに手だてはないでしょうか?(大野市、62歳女性)

 【回答】便秘は、便の硬さ、排便の間隔、排便の困難さ(腹痛、排便時の肛門(こうもん)痛や出血の有無)を総合的に判断して診断します。3日ごとの排便でも、痛みも伴わず、まとまった量の便が定期的に出るようであれば心配は無用です。

 一方、毎日排便があっても、硬いコロコロの便が1~2個出るだけで出血を伴うような不快な状態を引き起こしているのであれば、便秘としての対応が望まれます。

 腸の動きが悪いと便がたまってきます。たまった便は、さらに水分が乏しくなり硬くなってきます。肛門のすぐ内側にある直腸に便がたまると排便反射が生じますが、便がたまった状態が長く持続すると、体がその状態に慣れて排便を引き起こす反射機能が低下し、さらに便秘傾向が悪化します。

 便が硬くなれば排便時に肛門が切れて痛いために、子どもは排便を我慢することがあります。便意をもよおしたときに無理に我慢することも、悪い方向に作用します。このような悪循環は、硬く大量の便塊を生じ、さらに排便反射が鈍くなってきます。

 原因としては腸管、ホルモンや神経の異常などが元にあり、その一つの症状として便秘を伴う場合があります。

 また、排便習慣などの問題から二次的(機能性)に起こる便秘があります。乳児期以降の頑固な便秘の中に外科的な病気がまれに潜んでいることもありますが、相談者のお孫さんの場合、これまでの乳児健診で特に異常を指摘されたことが無かったのであれば、二次的な便秘が考えやすいと思われます。食事量も多く食事内容も工夫されているのに、なかなか便秘の改善が得られない状況で心配されているものと推察します。

 かん腸で直腸にたまった便を一時的に強制排便させても、すぐに硬い便になるようであれば、しばらくかん腸や飲み薬の緩下剤を継続して直腸の拡張を改善させ、排便反射を回復させることが必要と思われます。

 かん腸を含め薬に頼っていてはいけないと思われるかもしれませんが、便秘の悪循環を一度断ち切ることが必要と思われます。緩下剤にも、便を軟らかくするタイプのものや、腸の運動を直接的に促進するものなど、働き方の異なるものがあります。また肛門の状態はどうでしょうか。肛門に傷があればその治療も必要になります。やりやすい方法を、かかりつけ医とご相談されてはいかがでしょうか。

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