福井県医療的ケア児者支援センターの相談室で、津田英夫院長(左)と面談する医ケア児の中学1年生と母親=8月1日、福井県福井市江端町の育ちのクリニック津田

 日常的にたんの吸引や人工呼吸器などが必要な「医療的ケア児」の相談拠点となる「福井県医療的ケア児者支援センター」が8月1日、福井市江端町の小児科医院「育ちのクリニック津田」内に開設された。専門知識を持つ看護師1人が常駐し、電話や対面相談に無料で対応。ワンストップ型の窓口として、県内の医療や教育、福祉機関との連絡調整役を担う。

 福井県障がい福祉課のまとめでは、県内の40歳未満の医療的ケア児者は197人(2021年4月現在)。医ケア児を巡っては対応窓口が多岐にわたり、親が相談先を見つけにくかったり、窓口でたらい回しにされたりするケースがあり、支援体制の一元化が求められていた。

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 昨年9月には、医ケア児や家族を「社会全体で支える」ことを基本理念とした支援法が施行。これを受け、全国各地で支援センターが開設されている。

 県センターは、医ケア児の診察実績が豊富な「育ちのクリニック津田」が県の委託を受け運営する。今年5、6月の公募型プロポーザルで選定された。院内に元々ある相談室を活用し、入り口にセンターの看板を設置。予約を受け付けた後、開業時間内に対面相談に応じる。必要経費は県が負担する。

 院長の津田英夫さん(66)=元福井県立病院小児科主任医長=は「開設を機に県内各地の医師や看護師との連携を一層深め、福井県の支援体制を底上げしたい」と語った。

 定期診察で来院した、医療的ケアが必要な中学1年の女子生徒(12)の母親(43)=大野市=は「情報が少なく、学校選びで困った経験がある。当事者にとって相談窓口の存在は心強い」と話していた。

 同センターは月~水曜、金曜は午前9時~午後0時半と午後2時~同5時半、土曜は午前9時~午後0時半に相談を受け付ける。木曜と日曜・祝日は休業。相談窓口=電話0776(97)9210。メール(fukui.icare@gmail.com)でも可。

 厚生労働省によると、医療技術の進歩で新生児の救命率が上がり、医ケア児は過去10年で倍増した。