7月10日投開票の参院選に合わせ、福井新聞の調査報道「ふくい特報班(通称・ふく特)」は、読者アンケートで福井県選挙区立候補者への質問を募り、そのうちの一部を公示前、記者が候補者に直接尋ねた。過去最多となる6候補者の“6者6様”の回答を紹介する。

 実現したい政策は?

 政党や立候補者がそれぞれ多岐にわたる公約を掲げる中、「絶対に実現したい政策は?」は、敦賀市の40代男性からの質問。各候補者には「あえて絞って回答を」と念を押して聞いた。

 砂畑まみ恵候補(40)は「食の大切さを訴え、食の現状を是正する」と説明。「特に食品添加物は多く使われており、表示義務がないものもある。食品表示法を改正し消費者が選択できるようにしたい」と語った。

 斉木武志候補(48)は「経済成長と格差縮小」と答えた。「非正規雇用を広げるのではなく、望む人が正規雇用の職に就けるように変えていけば、年収低下を食い止め経済成長を再び向上させられる」と力説した。

 山崎正昭候補(80)は「食料の安全保障の強化」を挙げた。食料や肥料、飼料の高騰に対し「日本は島国であり、食料自給率を高めなければ国の存亡に関わる。食料の安定的な供給体制構築に全力を挙げる」と話した。

 笹岡一彦候補(66)は「景気と雇用の回復」と強調。「国から切れ目のない経済支援を打ち続けるしかない。客足が戻らず、コストアップしている現状に対し補助金、制度融資の条件変更などが必要だ」と述べた。

 山田和雄候補(54)は「ジェンダーフリーは私個人の頑張りどころとして実現したい課題。憲法の理念である個人の人権を尊重し、人間の根源的なものを差別の材料にしている社会ではダメ」と語った。

 ダニエル益資候補(42)は「外交・安全保障」と言い切った。「特に(ウイグルや香港、チベット、内モンゴル自治区での)中国の人権弾圧に対し国会として非難決議を行い、明確な抗議をするべきだ」と語った。

⇒参院選公示、6候補者の第一声は

 有事にどう備える?

 ウクライナ情勢を踏まえ安全保障は大きな争点の一つ。「日本が有事になったときのために、どんな準備をしますか?」は福井市の10代男性からの質問だ。

 砂畑候補は「一人一人が『国を守る』という認識が大切。昔の日本人は国防を強く感じていたと思うので原点回帰したい」と語った。

 斉木候補は「反撃能力の保有は検討するべきと思う半面、外交分野で緊張感を高めないために憲法を変えないのが現実的」と話した。

 山崎候補は「自分の国を自分で守る努力をするのは当然。防衛力強化が抑止力になり、国際協調にもつながる」とした。

 笹岡候補は「防衛費増額は避けられない。幾重にも安全保障体制を整えていくために憲法改正が必要」とし原発の防衛強化も訴えた。

 山田候補は「国防の一定の備えは必要だが、外交が先。食料、医療品、国民の命を守る。それは軍事力より大切かもしれない」と答えた。

 ダニエル候補は「憲法9条を変え、自衛隊が軍隊であるという位置づけをはっきりさせる。スパイ防止法の確立も重要」とした。

 同性婚やパートナーシップどう思う?

 性的少数者(LGBTQなど)を巡る質問は、鯖江市30代女性、越前市20代、福井市60代ら複数の読者から寄せられた。「同性婚」をはじめ、カップルの関係を公的に証明する「パートナーシップ制度」に対する見解を尋ねた。

 砂畑候補は「身近な問題だ。不利益な扱いや差別を受けることはよくないが、現状では法制化の必要はないと考える」と語った。

 斉木候補は「性的少数者が不利益を受けない環境づくりは重要。婚姻制度を巡る法整備は、国民的な合意形成が必要になる」とした。

 山崎候補は「国民一人一人の人権は認めないといけない一方で、党内でもさまざまな意見がある。国民的な議論を深めていくことが必要」とした。

 笹岡候補は「ダイバーシティ(多様性)の時代、苦悩している人がいることも理解している。段階を踏みながら法整備が必要になってくる」と話した。

 山田候補は「人権に関わる問題なので、社会としてルールにしていく必要がある。同性婚も整備していかなければいけない」とした。

 ダニエル候補は、同性婚は憲法との兼ね合いがあるとした上で「同性パートナーシップの形で、社会で受け入れていく」と話した。

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