鷹巣漁港内を泳ぎ回るイルカ=4月25日、福井県福井市蓑町

 2022年春ごろから、福井県の沿岸で野生のイルカの目撃が相次いでいる。6月18日には福井市の海水浴場の波打ち際まで近寄ってきた。水族館のイルカショーなどかわいいイメージがあるイルカだが、専門家は「イルカを見たらすぐに水から離れ、近づかないことが大事。命に関わる恐れもある」と警告する。

 越前松島水族館(福井県坂井市)の松原亮一副館長によると、福井県の沿岸でイルカが目撃されるようになったのは4月ごろから。福井市越廼地区の海岸でも姿が見られたという。

 イルカの危険性について松原副館長は「力が強く万が一、くわえられて水に潜られれば溺れてしまう」と指摘。海外ではイルカによる死亡事故も報告されている。目撃されているイルカの体重は200キロ程度と推測され、「全力なら40キロぐらいのスピードで泳ぐ。ぶつかられたら内蔵破裂するぐらいのダメージは必至」と話した。また今はイルカの繁殖時期で、体をこすりつけてくような行動をすることもあるという。

 目撃されているイルカは海水浴場の、人の膝ぐらいの水深の浅瀬まで来ている。「人に慣れ人に執着するようになっていたのでは。人の姿を見るとイルカから近寄ってくるようになったようだ」と松原副館長。20日には素潜り漁をしていた人が、イルカに体をぶつけられたとの相談が同水族館に寄せられた。

 目撃が長期に及んでいることから、福井県沿岸の住み心地が良いとみられる。松原副館長は「絶対に近づかず、餌も与えない。餌をもらい慣れると、餌をくれない人間を攻撃する可能性がある」と強調した。