訓練に臨む永平寺町消防団の団員たち。年額報酬などを増額するための条例改正案が定例町議会で審議されている=5月22日、福井県永平寺町上志比小学校

福井県内消防団員の年額報酬

 福井県勝山市が4月から市消防団の年額報酬を大幅に引き上げ、消防庁が処遇改善の目安として通知した標準額の3万6500円を福井県内で初めて上回った。永平寺町も報酬と出動手当を標準額まで引き上げる条例改正案を定例町議会で審議している。他の市町でも改定が相次いでいるが、標準額には届いていない状況。関係者は「県内の団員報酬は他県に比べてまだまだ低い。処遇が改善され団員確保につながれば」と期待を寄せる。

 福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)の調べでは、県内の18消防団のうち17消防団が本年度から処遇改善に乗り出し、団員の報酬などを引き上げたり、引き上げを議会で審議したりしている。ただ、消防庁の全国調査によると4月1日時点で、団員の年額報酬が標準額に達している消防団の割合は福井県が5.6%と、山梨県に次いで2番目に低い。北陸では富山、石川県ともに100%。

 県内で唯一、標準額を超えた勝山市。団員の年額報酬を2万円から3万7千円へ1.85倍に引き上げ、副団長や班長など他の階級もアップした。市幹部は「団員確保へできる限りのことをしようと、標準額を超えて報酬を上げた」と説明する。仕事の都合などで団を離れる場合、団員の身分を持ったまま休団できる制度を導入。市消防本部の担当者は「一度やめると復帰しにくい。休団でつなぎ留めておきたい」と話す。

 永平寺町は条例改正案が可決されれば、団員の年額報酬を2万円から3万6500円に改める。出動手当は1回(4時間当たり)3千円を4千円に増額する。町は「消防庁が示す標準日額(8時間)8千円と同水準になる」と説明。「団員の士気向上を図り、活動強化につなげたい」とする。

 ほかの16消防団も、「検討中」の大野市を除き改定した。団員報酬額は11消防団が2千円~3500円増額して2万円~2万3千円に引き上げたものの、標準額には届いていない。出動手当は12消防団が引き上げ、日額に換算すると福井市と鯖江市、越前町の消防団が標準額に達した。

 福井県によると、県内の消防団員数は2021年4月1日現在、条例定数6228人に対し5874人(94.3%)で、充足率は全国1位。全国的に団員が減少する中、福井県は緩やかに増加傾向にあるものの、継続的な確保策は各市町の課題となっている。

  ×  ×  ×

 福井新聞「みんなで発掘 ふくい特報班」(ふく特)は、暮らしの中で感じた疑問や地域の困りごと、不正の告発といった情報を寄せていただき、記者が取材を進める調査報道企画です。LINEの「友だち」に登録してください。情報提供をお待ちしております。メールやファクス、郵便でも受け付けます。情報源の秘匿は厳守します。