◆7歳までの成長のまとめ

そうしたことを念頭に置き、幼児期は大変大事な時期でもありますので、シュタイナーの提唱する幼児期において大切なことを簡単ではありますがまとめておきたいと思います。

・この世に誕生したすべての子を畏敬の念で受け入れるのです。
私たちの存在は、無限の過去から何度も何度もこの地上に生を受けては人生を終え、また新しく生を受けるという、その無限の人生の繰り返しの働きが誕生から7歳までの幼児期の子どもに働きかけていると考えるのです。そして、その時代を選び、その環境を選んでこの世に誕生してきているとも考えるのです。
私たち教育者(親)はその子どもを通してその子どもの無限のはるか彼方の過去に目を注ぎます。そして、この子どもがどんな大きな長い人生経験を重ねた上に、今また新しくこの世に生を受けて、私の前に立っているのかと考えます。そのとき初めて、その親や先生はその子どもに対して本当に畏敬の念をもってその子どもを迎え入れようとします。また、親や教育者は、子どもとの関わりを、自分の所有物としてや、他人の子どもとしてではなく、“縁”として受け止めるのです。それらの思いをどこまで深めることができるかが教育者(親)としての課題でもあるのです。
・幼児期は無意識の時代です。
(それは意識において深い眠り、夢を見ている眠り、目覚めているときに例えられるのですが、幼児期は催眠術師にかかったような深い眠りの時期だといわれているのです)
・そして感覚は全身が感覚器官として、外界に対して全開していて、しかも外界に対して何の防御もなく、まわりの外界のありのままを頭の先から足のつま先まで、全身全霊をもって自分の周囲に営まれているあらゆる事柄をどんな細部に至るまでも全部自分のなかに受け止め、取り入れていき、一番変化しにくい肉体器官として作り上げられていく時期であるのです。その幼児期に作り上げられた肉体器官や傾向性がその人の土台となって、さらにその人としての人間形成が積み重ねられていくのだといわれているのです。
・ですから子どもの周りの人やモノの環境として「善きことをなし、悪しきことはしない」という簡単であって、実に難しい環境の在りようが第一番にあげられるのです。周囲の大人の道徳的な態度、道徳的なあり方まで子どもは模倣してしまいます。それが「模倣とお手本」という言葉で言われているのです。
また、大人と一緒に祈ったり、感謝したりする聖なる時間や空間も幼児期の環境としてとても重要視されているのです。
・リズムがとても大切な時期です。一年の季節のリズム、一日のリズムある生活、また童話や音楽などを通して、意味よりも繰り返しのある美しい言葉のリズムや動作は、その肉体の器官形成を促す大きな力になるのです。
・そして肉体の一番固い部分としての歯の生え変わりによって(歯の一番奥の下の第三番目の臼歯が生えてくるときに、最初の永久歯が生え代わってくる)集中的に肉体形成に関わった最初の7年間の生命のプロセスが一つの周期を全うしたことの表れと考えられていて、次の成長段階へと成長していくのです。

幼児期の成長における大事なことはまだまだたくさんありますが、シュタイナー教育に関するたくさんの本が出ておりますので、それらの図書を参考にされてさらに深めていっていただけたらとおもいます。                 

◆7才からの教育

それまで肉体器官の形成に使われていた生命力(エーテル体)の一部がもう使われなくなり、解放され、次の7歳から14歳の成長期においては、この生命力(エーテル体)に対して直接働きかけることができる教育を始めることができるのです。

「エーテル体は肉体に働きかける中で私たちの意志を発達させ、アストラル体と結びつ
いて働く中で、私たちの感情を作り上げていき、私たちのアストラル体が、自我と結びついていくと、私たちの思考の能力が育っていくというのです。
そして、その感情と意志が発達すればするほど、私たちの地上の、この世の現実に対す
る関わりが深まっていくというのです」。

≪参照文献≫
『霊学の観点からの子どもの教育』イザラ書房、または『シュタイナーコレクション1 子どもの教育』筑摩書房
『高橋巌 講義録』こひつじ幼稚園発行
『シュタイナーの教育の基本点とは何か』1982年 シュミット・ブラバント博士 来日講演録

次回では引き続いて7才からの成長を見ていきたいと思います。