福井県内のリゾートホテル整備運営に関する協定を締結し、肘タッチを交わす杉本達治知事(右)と星野佳路代表=5月23日、福井県福井市の福井県庁

 福井県は5月23日、旅館やホテルを全国展開する「星野リゾート」(本社長野県)と、県内でのリゾートホテル整備運営に関する協定を結んだ。県が用地確保など必要な事業調整に協力し、2025年度以降に複数箇所での整備を目指す。杉本達治知事と共同会見した同社の星野佳路代表は、北陸新幹線の県内開業を見据えて「日本国内、そして世界にアピールできる観光素材を考えていくことが私たちの課題。福井県の観光、経済、雇用に貢献できるよう努力したい」と述べた。

 県内では現在、同社の子会社を中心とした企業グループが、勝山市の長尾山総合公園再整備事業を担う事業者に選定されている。協定書に書かれた「複数箇所」について、同公園でのホテル整備計画以外は、具体的な候補地や時期は決まっていないとした。

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 県によると、県の施策やプロジェクトに協力する企業に対し、投資額や雇用人数に関わらず支援する補助制度に、県外事業者では初めて同社が適用される見込み。一つの事業に対し10億円を上限に補助率25%で支援する。

 会見は県庁で行われ、星野代表は「新幹線は観光地に良い影響を与えるとは限らない。魅力がなくても集客できてしまう力がある」と指摘。地域の魅力低下につながった事例が国内にあることに触れ、新幹線の集客力をいかに生かすかを考えていく重要性を述べた。

 インバウンド(訪日客)については東京、大阪、京都、北海道、沖縄の5地域で全体の半分以上を占める一方、福井県はワースト5に入っていると説明。地方ではインバウンド効果が十分に出ていないとし、県内でのリゾートホテル整備について「ただ単に採算を合わせるのではなく、次の時代の観光にプラスとなるプロジェクトにしたい」と意気込みを語った。

 杉本知事は「星野リゾートは地域の特徴を生かしたホテル運営を行い、多くの支持を受けている」と協定を歓迎。県内の宿泊・観光業者が切磋琢磨する起爆剤となり、魅力の磨き上げにつながることへの強い期待感を示した。