雑草に覆われた旧県道沿いに立つ少年像=福井県おおい町の大島半島

新たに情報が寄せられた像の一部と台座。「草花とのかたらい」と刻まれている=福井県南越前町関ケ鼻

 福井県内の26カ所に“謎の少年像”が点在しているという記事を福井新聞で掲載したところ、調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に多くの情報が寄せられた。主要道路沿いに休憩スペースを整備する県の1980年代後半の事業で、数年かけて約40カ所に像を建てたという県職員OBの有力証言が得られた。おおい町と南越前町で新たに2体の像も見つかった。

⇒半袖、半ズボン姿の謎の少年像が福井県内に26ヵ所

空間に彩り?

 少年像はいずれも高さ約50センチで約1メートルの台座に立つ。半袖半ズボンのオーバーオール姿で、台座には「ひとやすみ」「水辺のいこい」といった文字が刻まれている。

 県道路維持課(当時)の安全施設係長だった80代の男性や、総務係長だった70代の男性らOBの話を総合すると、少年像は県の「沿道スペース美化事業」で三十数年前に設置したとみられる。交通事故の急増が社会問題化していた当時、県管理の主要道路にポケットパークを設け、ドライバーの休憩を促す狙いがあったようだ。

 元安全施設係長によると、スペースが殺風景にならないよう少年像を設けることになり、「発注先の業者に3種類の像を用意してもらい、40カ所ほど整備した記憶がある」という。両手を腰に当て口を開けた像と、手をかざし遠くを眺める像の2種類が確認されているが、さらにもう1種類あった可能性がある。台座の文言は課内で約10パターン用意し、各土木事務所が選んだらしい。

新たな言葉

 観光資源に活用できないかと考えた若狭おばま観光協会(小浜市)はホームページで、確認済みの少年像26体をマップ付きで紹介している。「ふく特」に寄せられた情報のうちマップ未掲載の一つは、おおい町大島に向かって青戸大橋を渡った先の旧県道沿い。手をかざし小浜湾を眺めており、台座にはこれまで複数の像にあった「紺碧(こんぺき)」の文字が刻まれている。

 もう一つは南越前町関ケ鼻の国道365号沿い。像は足首から上がなくなっていて、靴だけが残っている。台座の文字は「草花とのかたらい」。他にはない言葉だ。

 複数の県OBは、トンネルや道路拡幅工事の際に撤去されたり、廃止された道路沿いに残っていたりする像もあるかもしれない―と推測する。その見立てを裏付けるように小浜市田烏と泊の少年像は、工事などに伴い移設されたとの情報も「ふく特」に寄せられている。

 車が通らなくなった道路脇で、人知れず立ったままの少年像がまだあるのかもしれない。